「えっ、その条件をクリアしたら年間約40万も追加でもらえるんですか!?」 申請しないと「1円ももらえない」、特別な年金の“正体”とは?
加給年金は厚生年金に20年以上加入していることが条件です。つまり、老齢厚生年金に上乗せされる年金であり、老齢基礎年金は対象外です。そこで、老齢基礎年金は繰り下げ受給にして、当分の間、老齢厚生年金だけ受け取る形にする。こうすれば、加給年金も受け取れて、将来は増額された老齢基礎年金も受け取ることができます。 そもそも繰り下げ受給をする場合に、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の受給開始をそろえる必要はありません。「加給年金と老齢厚生年金はセット」と覚えておくといいでしょう。
■在職老齢年金で「年金全額カット」だと加給年金も停止 じつは、条件を満たしていても加給年金が支給停止になるケースがもう1つあります。 それは、65歳以降も働いた場合で、在職老齢年金によって年金が全額カットになってしまうケースです。この場合、加給年金も全額支給停止になります。 しかし、年金が全額カットされることによって、加給年金も支給停止になる人はごくわずかでしょう。 たとえば、65歳以降、「老齢基礎年金が6万円・老齢厚生年金が10万円・給与が42万円」の場合、カットされる年金は1万円です。厚生年金が一部でも支給されれば加給年金も支給されますから、この場合、加給年金は支給停止になりません。
つまり、平均的な年金かつ給与の人であれば、在職老齢年金によって加給年金が支給停止になる、ということは起こりにくいのです。 ■加給年金は「申請」しないと1円ももらえない? 加給年金について、もう1つ決して忘れてはいけないのが申請です。受給可能な条件がそろっていても申請をしなければ、1円ももらうことができません。申請方法は、次の2つの場合で異なります。 ①特別支給の老齢厚生年金を受給している場合 ②はじめて65歳から年金を受け取る場合
①の特別支給の老齢厚生年金とは、一定の条件を満たすことで、65歳になるまでの間に一部の人が受け取れる年金のことです。 この年金を受給している場合は、65歳になる誕生月のはじめ頃(1日生まれの人は前月のはじめ頃)に、日本年金機構からハガキの年金請求書が届きます。 そこにある加給年金額対象者の欄に必要事項を記入し提出すれば、加給年金の手続きは完了です。 ②の場合は、65歳の誕生日の3カ月前に、年金の請求に必要な書類が緑色の封筒で届きます。その書類の一部に加給年金額対象者の欄がありますので、そこに漏れなく記入すれば手続き完了です。
いずれの場合も、申請には、受給者の戸籍抄本もしくは戸籍謄本、世帯全員の住民票の写し、加給年金対象者の所得証明書などを添付する必要があります。 なお、①もしくは②を提出し忘れてしまった場合は、「老齢厚生年金・退職共済年金加給年金額加算開始事由該当届」という書類を提出しましょう。5年前までであれば、遡って請求することが可能です。
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