「みんなあんなに苦しんでいるのに私だけ平和に暮らすのはだめ」ラリーサさんが戦禍のウクライナに帰国
IBC岩手放送
ロシアがウクライナに軍事侵攻して2年8か月が経ちます。 北上市に住む娘の元で静養していたウクライナ人の女性が先週、帰国しました。 戦禍の中で暮らす女性が伝えたかったメッセージとは? 【写真を見る】「みんなあんなに苦しんでいるのに私だけ平和に暮らすのはだめ」ラリーサさんが戦禍のウクライナに帰国 「これは私が日本に行くといった時に16歳の女の子が代弁して書いたウクライナの子どもたちの気持ち」 「みなさんの人間性、親切な心、私たちを助けるために多大な時間を費やしていただき岩手の皆様には心から感謝しています。あなたの贈り物は主に地下室で過ごす私たちの困難な日常生活に明るい希望を与えてくれます」 この手紙は北上市在住でウクライナ出身のトムシンスカ・ナターリアさんの母・ラリーサさんがウクライナの子どもたちから預かってきたものです。 ラリーサさんはウクライナ中部のポルタワ州に住んでいて、兵士のための食事やクッションなどを作りボランティア活動を続けてきました。 もともとはウクライナの民族舞踊を教える先生で、多い時にはおよそ200人の生徒がいました。 しかし、ロシアの軍事侵攻後は州外に避難する生徒も多く、8月には90人ほどに減り、ラリーサさん自身が体調を崩したこともあり民俗舞踊の指導を引退しました。 9月、ラリーサさんは静養と日本の支援に感謝を伝えるために来日し、成田空港で7年ぶりにナターリアさんや孫たちと再会を果たしました。 (ラリーサさん) 「孫たちの身長がうんと伸びたし、成長した。楽しい1か月親戚に会ってすごい楽しかった」 滞在中は宮古市の浄土ヶ浜など観光スポットを巡り心安らぐ日々を過ごしました。 しかし、ロシアの侵攻が続く祖国ことは忘れることができません。 9月にはポルタワがミサイル攻撃を受けて多くの死傷者がでました。 (ラリーサさん) 「最近ひどくなってきている。日々ポルタワでも人亡くなっている。さっきもドローンが子どもたちを攻撃し、亡くなった」 こちらの手形は民族舞踊の教え子たちのものです。 「日本に行くよと言ったときみんな何かしたくてそれで集まった皆さんの感謝の気持ち。警報鳴ったから急いでペタペタやった」