【大分】宇佐市強盗殺人事件 死刑判決
大分朝日放送
2020年、大分県宇佐市で親子2人を殺害したとして罪に問われている被告の男に死刑判決が言い渡されました。 裁判員裁判が始まって大分地裁では初めてです。 新岡アナウンサー 「判決公判を前に大分地裁には傍聴券を求める人で長蛇の列ができています」 64席に対して約5倍の325人が傍聴席を求めた2日の判決公判。 注目の高さをうかがわせました。 強盗殺人と住居侵入の罪に問われている大分市の会社員佐藤翔一被告(39)。 判決によりますと、2020年2月、大分県宇佐市安心院町で当時79歳の女性と当時51歳の息子を刃物のようなもので刺して殺害し、現金8万8000円を奪ったとされています。 一貫して無罪を主張する被告に対し死刑を求刑した検察側。 13回目となった裁判員裁判で、大分地裁の辛島靖崇裁判長は「直接的な証拠はないが被告の車から被害者の血液が見つかったことなどから被告が犯人と認められる」などと指摘しました。 その上で「強固な殺意に基づく残酷な犯行で裁判でも不合理な弁解を続けるなど汲むべき事情はない」として検察の求刑通り死刑を言い渡しました。 判決を受けた瞬間、佐藤被告は微動だにしませんでした。 被告の弁護士によりますと即日控訴するということです。 判決を受けて亡くなった女性の姉が取材に応じました。 「(被告)本人がどうして殺したのか、それを知りたいです。死刑になっても妹は返ってこないですけどね」 判決を受け3人の裁判員が記者会見に応じました。 今回は被告が一貫して無罪を主張していたことから、初公判から判決まで1カ月あまり、審理も13回という裁判員裁判としては異例の長さでした。 死刑判決という重い判断を下すのに何度も話し合いを重ねたと言います。 裁判員 佐藤春好さん 「重い判決だったと思います。それに対して何度も何度も話し合って結論を出しました。 納得して今回の判決が出た」 そのうえで「今回は裁判員の意見が反映された。判断には納得している」と感想を話していました。