<SHOGUN 将軍>“遊女”役も話題の向里祐香、34歳の誕生日「誰かと間違ってない?」のハリウッドデビューから世界の“菊様”へ
俳優の向里祐香が9月24日に34歳の誕生日を迎えた。向里といえば真田広之が主演&プロデュースを務め、ハリウッドの制作陣が手掛けたドラマ「SHOGUN 将軍」(ディズニープラスのスターで全話独占配信中)に一流の遊女・菊役で出演し、話題を集めたのも記憶に新しい。同作は先日“アメリカテレビ界のアカデミー賞”ともいわれる第76回エミー賞で18部門受賞し、再びキャスト陣にも注目が集まっているということで、今回は向里の活躍を振り返る。 【写真】着物姿から印象ガラリ…煌びやかゴールドドレスのオフショット ■デビュー11年でブレイク 向里は1990年9月24日生まれ、東京都出身。2013年に俳優デビューすると、ドラマや映画、舞台、CMと幅広く活動。特撮ドラマ「神ノ牙-JINGA-」(2018年、TOKYO MX)で魔戒法師・楓沙を演じ、主要キャストとして存在感を放った他、ドラマ「ゆるキャン△ 」(2020年ほか)、「わたしの夫は-あの娘の恋人-」(2023年、BSテレ東ほか)、「インターホンが鳴るとき」(2023年、テレビ大阪)、映画「愛なのに」(2022年)、「福田村事件」(2023年)など、さまざまなジャンルの作品に出演してきた。 そんな中、オーディションでつかんだのがハリウッド版戦国スペクタクル「SHOGUN 将軍」での遊女・菊役だ。そのオーディションも実際にハリウッドへ赴いて、演出家やプロデューサーの前で演技を見せて…というわけではなく、「ただビデオを送っただけ」なんだとか。当メディアのインタビューで、このときのことを「菊役に決まったと知っても『本当に私なの? 誰かと間違ってない?』って、撮影現場に行くまで信じられなかったですし、ずっと不安感がありました」と振り返っている。 そうしてハリウッドデビューが決定。向里が演じた菊は、妖艶な美貌やしぐさ、所作で武士たちをとりこにする“一流の遊女”。ただ妖艶なだけではなく、一流のオーラが伝わらなければいけないため、三味線や日舞、新橋の芸妓から戦国時代の女性らしい目線などの所作を学んだという。「菊は“伊豆一の遊女”という設定。指先や立ち方など、ちょっとした動きに一流らしさのようなものが出ると思うのでそこに嘘がないよう練習をして、菊が醸し出す雰囲気やオーラを意識しながら演じました」と役へのアプローチを明かした。 それらを経て身につけた“一流の所作”は見事だった。誘惑するような目つき、しぐさ、一糸まとわぬ姿で体を重ねるシーンだけでなく、それ以上に「言葉だけ」で極上の艶っぽさを表現した、第6話の按針(コズモ・ジャーヴィス)らとの茶屋でのシーンが印象深い。 虎永(真田)からの褒美として、按針が遊女・菊のもてなしを受けることに。その場には夫・文太郎(阿部進之介)が生還し、互いに引かれつつあった按針との間に一線を引くと決めた鞠子(アンナ・サワイ)も同席。 鞠子の通訳を介して、菊は按針に対しなまめかしくねっとりと語り掛けていく。「あなたのその目で、欲しいものをご覧なさいまし。着物を脱いだ私、ありのままの私を…」と艶っぽい言葉を投げ掛けると、菊が作り出す艶やかな雰囲気にのまれ、通訳する鞠子の息遣いまでも荒くなっていく。菊役・向里と鞠子役・サワイ、按針役・ジャーヴィスが、互いの体に触れることなく、言葉だけで作り出した、官能的なシーンとなった。何より彼女は、努力では得られない気品、持ち前のしっとりとした声も魅力的で、今後の武器になり得るだろう。 ■作品がエミー賞多数受賞「一生忘れない素晴らしい夜だった」 先日「SHOGUN 将軍」のエミー賞授賞式にも参加した向里。式の後には自身のInstagramに「一生忘れない素晴らしい夜だった…本当にありがとう、そしておめでとう」と英語でつづっていたが、ハリウッドデビュー作は想像以上に大きなものを彼女にもたらしたはずだ。 2024年は「SHOGUN 将軍」だけでなく、ドラマ「約束 ~16年目の真実~」(日本テレビ系)、「奪われた僕たち」(MBSほか)、映画「あとがき」「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」と既に多くの作品に出演し、「HEART ATTACK」(FOD)も配信を控えている。 8月6日に放送された「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)に出演した際には慣れないバラエティー番組出演に緊張する面もありつつ、美しい佇まいが日本の視聴者にも注目されたが、「SHOGUN 将軍」で海外のファンに「菊様…美しい」「菊様に会いたい」「菊様ステキでした」と大きなインパクトを与えただけに、今後は日本のみならず、ワールドワイドに活躍の場を広げていくはずだ。 「SHOGUN 将軍」は、ディズニープラスのスターで全話独占配信中。 ◆文=森井夏月