【赤べこの日制定】全会津で盛り上げを(11月2日)
あす3日は「赤べこの日」だ。NPO法人奥会津まちづくり支援機構と柳津町が制定し、初の記念日を迎える。会津地方の郷土玩具を代表する「赤べこ」は厄よけや縁起物として全国的に人気を集める。制定を契機にオール会津で盛り上げを図り、新たな商品開発や観光誘客に結び付けてほしい。 記念日の制定は、赤べこによる町おこしが狙いで、日本記念日協会の認定を受けた。柳津町には赤べこ伝説発祥の地とされる福満虚空蔵尊円蔵寺がある。13歳になると円蔵寺をお参りする十三講参りの風習が残る他、円蔵寺の表参道の階段は113段あるなど、「1」と「3」にまつわる数字に縁があり、「文化の日」でもある11月3日を記念日とした。郷土の歴史や文化を若い世代に伝え、誇りを持ってもらう上で意義深い。 3日には柳津町の道の駅会津柳津で制定記念イベントを催す他、抽選で景品が当たるスタンプラリーを30日まで実施している。スタンプは柳津町の他、会津若松市、喜多方市、猪苗代町、磐梯町の駅や観光施設など10カ所に設けている。記念日を定着させ、より盛り上げを図るには、来年度以降は柳津町を起点に会津全域に設置箇所を広げていく必要がある。各所でPRイベントを催せば、相乗効果で認知度が増すはずだ。
赤べこファンを増やす取り組みも欠かせない。最近は、色鮮やかな張り子やプラモデル、愛らしいイラストが描かれた衣類や器、ゴルフボールなど郷土玩具の域を超えた魅力的な商品が生み出されている。会津地方の工事現場では、赤べこをあしらったバリケードもよく見かける。こうしたグッズをきっかけに、赤べこの魅力に引き込まれる事例は少なくないだろう。関連のイベント情報はもとより、グッズに関する話題などを交流サイト(SNS)などを通じて発信すれば、愛好者の輪が広がるのではないか。 会津若松市の観光関係者によると、海外での観光プロモーションの際に赤べこのキーホルダーや携帯ストラップなどを現地で配布すると、喜ばれるという。絵付け体験なども人気を集めている。インバウンド(訪日客)の誘客を含め、海外と本県をつなぐ架け橋としても赤べこを大いに活用したい。(紺野正人)