EU首脳、欧州委員長の続投で合意-大統領にポルトガル前首相
(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)は27日にブリュッセルで開いた首脳会議で、EUの行政執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長を再任し、2期目(任期5年)も続投させる方針で合意した。
ミシェルEU大統領(欧州理事会=首脳会議=常任議長)の後任にはポルトガルのコスタ前首相、外交安全保障上級代表(外相)にエストニアのカラス首相を充てることでも一致した。
EUトップの人事案は、欧州議会の採決による承認が必要だが、過半数の信任票の獲得がスムーズにいかない可能性も残る。欧州議会の中道リベラル会派「欧州刷新」を率いるバレリー・エイヤー議員(フランス)はフォンデアライエン氏の承認について、「当然のことだが確定ではない」と記者団に語った。
フォンデアライエン委員長の一期目はかつてない僅差での承認となったが、今回の票読みはさらに警戒を要する恐れがある。
EUは先週17日に非公式首脳会議を開き、今秋任期切れとなるトップの人事を協議したが合意に至らず、決着を先送りしていた。特にイタリアのメローニ首相は、中道右派の欧州人民党(EPP)と社会民主勢力、リベラル会派との非公開交渉について、欧州議会選で議席を増やした極右勢力のウエートが反映されていないと不満を表明していた。
極右勢力の伸長にもかかわらず、欧州議会選ではEPPが議席を増やし、最大会派を維持した。
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原題:EU Leaders Pick Von der Leyen to Stay On as Commission Head (2)(抜粋)
--取材協力:Andrea Palasciano、Donato Paolo Mancini、Milda Seputyte、Kevin Whitelaw、Lyubov Pronina、Michael Nienaber、Natalia Drozdiak、Zoltan Simon、Samy Adghirni、Piotr Skolimowski、Olivia Fletcher、Sanne Wass、Max Ramsay.
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Jorge Valero, Alberto Nardelli, Ewa Krukowska