「親たちには『訓練に送り出した』と嘘を騙り、いきなりウクライナ戦争の最前線へ」…死地へ送られた若き兵士たちが《ほぼ全滅する》可能性が高い「酷すぎる理由」
「北朝鮮兵士ほぼ全滅」の可能性も
一部の報道では、ロシアへ送り込まれたのは特殊作戦を任務とする「暴風軍団」という精鋭部隊だとされているが、現在ウクライナに対して行われているのはあくまで通常戦闘であって、そこでは使用する兵器の能力が最大限に発揮されることから兵器の性能や量など、最終的にはその優劣が勝敗を左右する。 もちろん、使用する兵器をいかに有効に使用するかも大きなカギとなる。つまり現代戦の最前線における兵士に最も必要とされる要素は、個人の身体能力ではなく、その戦場で使用されている「彼我の兵器にいかに精通しているか」なのだ。 ゆえに特殊部隊として、近接戦闘(CQB:Close-quarters Battle)能力に優れていたとしても、この戦地でそれはあまり役には立たないだろう。もし、最前線のロシア軍兵士らが、北朝鮮の兵士が足手まといだと感じたならば、北朝鮮軍の兵士らは容赦なく見放され、多くの局面で孤立した戦闘を余儀なくされるであろう。なぜならば、最前線のロシア兵にとって、強い援軍と期待していた北朝鮮軍にその期待を裏切られた場合、命がけで北朝鮮の兵士を守るような連帯感はみじんもないだろうからだ。 そもそも、派遣当初より、ロシア軍兵士が撮影したと見られる映像がウクライナ軍の情報組織によって公開されたり、その後も派遣された北朝鮮軍の行動に関わる情報が次々とウクライナ軍の情報組織から公表されたりするのは、ロシア軍の中に北朝鮮軍の派兵を快く思っておらず、ウクライナ軍にその情報をリークしている兵士がいるということにほかならない。 場合によっては、北朝鮮軍兵士の部隊がほぼ全滅又は戦争捕虜になるという可能性も十分に考えられる。 後編『今まさに「朝鮮半島情勢の急変」と「金正恩の末路」が懸念されている「差し迫った理由」』につづく。
鈴木 衛士(元航空自衛隊情報幹部)