相続する財産が不動産だけで相続税を納めるお金がないかも。今からできる対策は?
相続税は金銭一時納付が原則です
相続税は、相続財産を集計して一定の方法により税額を計算します。税額が発生すると、その税額は金銭で一括納付することが原則です。つまり、お金がないと相続税を納めることができません。 相続税は財産を取得するという考えから、例外として金銭で分割して納付することや不動産等をそのまま納める、という方法もあります。しかし、その例外を使うには条件があり、難しいことのほうが多いです。 そのため、相続財産を書き出してみて、全体の財産のうち不動産の割合が高いとなった場合は、事前に相続税額の予想をたてておく必要がでてきます。
財産を書き上げておくことで事前対策を
亡くなった人が、どこの金融機関にいくら残していたのか、どこの不動産を所有しているのか、といったことは家族であっても分からないことが多いです。 日本では昔からお金の話をタブー視する傾向があったため、財産について誰にも言わずに秘密にしている人も多く、相続が発生して初めて、残された家族が「財産は何があるのか」ということから調べることが多いです。 もし、あらかじめ財産をある程度書き出し、その資料をもとに引き継ぐ人と話し合えれば、税額の予想をすることもでき、その税額が引き継ぐ現預金で納められるのか、といったことまで分かります。 もちろん、書き出すだけで税額の予想までできる訳ではありませんが、「相続財産を書き出すこと」は、まず始められる一つの対策です。 そのうえで、専門家に実際の相続税額を試算してもらい、手元にある現預金と相続する現預金で支払えるかの確認をする必要があるでしょう。さらに、万一その相続税額が支払えないと分かった場合は、不動産の売却や相続税の延納や物納といったことの検討も必要になるかもしれません。 残される家族に迷惑をかけることのないよう、また、家族からの相続で困ることがないよう、できることは事前にやっておきましょう。 出典 (※)金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年) 執筆者:秋口千佳 CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部