辻希美、SNS駆使プロデュース力の根源は、モー娘。時代の劇場型戦略にあり
元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が出演したAbemaTV「72時間ホンネテレビ」は、総視聴者数7400万超と記録的な注目を集めたが、さまざまな企画やゲストがいる中、キャラ弁対決で注目を集めたのが辻希美だ。 辻はブログをはじめ、ネットでのなかなかのPR巧者。ストレートな性格ゆえか、育児の話題をはじめ炎上することも過去たびたびあったが、それさえ取り込んでエネルギーにしてしまうようなたくましさがある。12歳から芸能界デビューし、紆余曲折ありながら生き抜いてきた根性はダテではないということだろう。
辻希美のSNS駆使の自己プロデュース力がすごい
まだモーニング娘。に在籍していたころから辻を知るという地上波放送局の50代男性プロデューサーは、最近のSNS活用ぶりについて話す。 「7月から新たにインスタグラムを始めたんです。インスタでは後発組ですが、すでにフォロワーも20万人を突破していますよ。今回のキャラ弁対決も積極的に発信しています。写真がネット解禁となった稲垣、草なぎ、香取をはじめ、市川海老蔵らとの集合写真や2ショットなどを何枚も掲載しています」 ファンを喜ばせるとともに、注目度もしっかり高めているようだ。 都内出版社に勤務する40代男性編集者は、そんな辻の自己プロデュース力を評価する。 「インスタグラムは写真が一覧で表示されるので、辻のプロデュース力の高さがよくわかります。たとえば七五三の写真でもバックショットや家族の記念写真、夫の(杉浦)太陽との2ショットなど何枚もの写真でグラビアのように構成していますね。キャラ弁の写真もこれでもかっていうぐらい何種類もアップしますし、番組出演時のバックステージでの写真などもよく様子がわかるんですよ」
辻のプロデュース力の根源は、モー娘。時代に培った”劇場型戦略”にあり
辻のプロデュース力や宣伝力といえば、最近では母親が7月に都内で開店したハンバーガー店「シエルアムール」が思い浮かぶ。店を持つことは母親の長年の夢だったそうで、辻は開店前から開店後まで、ブログで立ち上げの様子を情報発信。かつてモーニング娘。がオーディションの様子など、結成やメンバー加入の過程をテレビ番組で見せることで、ファンを感情移入させてきた”劇場型戦略”ともいえる発信力の高さを彷彿させた。 アイドル演劇などを手がける40代男性プロデューサーは、辻のプロデュース力の深さを語る。 「ハンバーガーショップの件も、単なるPRにとどまっていないところがすごい。辻自身がメニューやグッズを手がけたり、開店時には頻繁に店に顔を出して自らファンサービスに努めました。『どうすれば母親の夢であるこの店を成功させることができるのか』という観点から、やれることはなんでもやった印象です。関係者のみのプレオープンには元モー娘。の高橋愛や大食いタレントのギャル曽根など、芸能界の人脈も駆使して話題を集めることに成功しています」 モー娘。在籍時は、番組のゲームなどでも負けると人目をはばからず悔し泣きをするなど、まだ幼さが抜けなかったが、そんな辻も気がつけば30歳。いまや3児の母であり、ママタレとして押しも押されもせぬ存在感を発揮している。配慮不足から時折ネットが炎上し、”炎上ママタレ”とも呼ばれることもあるが、何より注目されなくなったらおしまいの芸能人という職業、それもけっしてマイナスとはいえない。また、それ以上に、辻のけなげなところや、何をやってもどこかに天然さが出てしまうところなど、魅力を感じて応援するファンも多い。アンチもいればそれ以上にファンもいる、要は”気になる存在”ということなのだろう。 (文・写真:志和浩司)