子どもの“教育”のため、家族4人で海外移住。金銭面で直面した“思わぬ落とし穴”とは
マレーシアでの学費はお得?実は思わぬ落とし穴も
海外移住を叶えるためには、避けて通れないのがお金の問題です。マレーシアはインターナショナルスクールの選択肢が多いと同時に、日本に比べて物価が安いのが特徴。それが海外教育移住の地として人気の理由でもあります。 ねこ田さんは移住の準備期間が半年だったため、特別なお金の準備はできなかったといいますが、現地での生活費はどのようなものなのか。まずは教育費から聞きました。 「我が家はまとまった貯蓄はあったものの、準備期間が短かったので、お金の準備はできずに渡航しました。渡航時期が12月だったのは、せめて住民税が一番お得な時期にしようという考えからです。 移住には多額の教育貯金が必要だと思われるかもしれませんが、マレーシアに関して言えば、用意すべきお金はどの価格帯の学校に通わせたいかによります。日本でインターナショナルスクールに通う場合、年間200万~300万ほどはかかると思いますが、マレーシアなら、安い学校は年間50万円以下で通えます。 ただしマレーシアの場合、これも学校によりますがいわゆるインターナショナルスクールは日本の学校に比べてあまり勉強を詰め込んだりせず、宿題もたくさん出さない学校が多いんです。学習スピードも緩やかなので、だいたいの家庭が塾やチューター(家庭教師的な存在)を雇ってサポートを入れていますね。我が家も9歳の長男は週3日、5歳の次男は週4日と、塾に通っています」 5歳で週4の塾通いと聞くと、多いと感じる人もいるかもしれません。しかしこれは、学童も兼ねたような場所で、日本で想像される塾とは異なる場所なのだとか。
物価の安いマレーシアでの生活はお得なのかどうか?
「マレーシアに渡航すると、物価が安いから日本よりコストを押さえて生活ができるイメージを持たれますが、実際は全然そんなことはありません。また、その国ごとに相場や掛けたほうが良い部分は違うので、結局総合するとそんなにお得にはなっていないように思います。 具体的に言うと、マレーシアでは家賃が安く、ジムやプール付きのコンドミニアムなら6~9万円程度で住むことができます。高くても家賃はせいぜい15万程度ではないでしょうか。ここだけ聞くと安いと感じるかもしれませんが、日本と同じような日用品を買おうとすると、価格帯は日本と同程度です。またインターナショナルスクールの学費は日本よりも安いですが、塾などの補習が必要です。総合すると、日本で公立校に通わせるよりはるかに高額です」 余談として、インターナショナルスクールは長期休暇が長いため、レジャー費も日本にいた時よりもかかると教えてくれました。 「生活費の概算を出す場合は、希望する学校の学費をHPで確認し、それに現地のおおよその家賃と、日本と同程度の生活費を合算した金額が、だいたい1年で必要な金額だと思っていただくと良いですね。とはいえ、1年たって振り返ると、なんだかんだ概算として出した金額の1.5倍くらいかっているイメージではありますが(笑)。 よく『世帯年収いくらだったら海外教育移住できますか?』みたいな話が出ますが、お話しした通り、教育費の割合が大きいので、学校選びをどこにするかで大きく変わっていきます。 ただ、お子さんが小学校入学前であれば、費用はそれほどかかりません。あくまでも私の肌感覚ではありますが、例えば世帯年収1000万円などでなくても、行けるように感じます。一方で、子どもが3人いて全員中学生以上だと、2000万円近く世帯年収がないと厳しいかも。子どもが何人いて、どの価格帯の学校に入れて、何年マレーシアで過ごすのか次第でも、金額は変わります。軽くネットで調べるだけでも概算はできるので参考にしてみてください」