冬の間はラニーニャ現象に近い状態が続くも次第に弱まる 春にかけて平常の状態が続く可能性高い エルニーニョ監視速報
気象庁は10日(金)、エルニーニョ監視速報を発表した。それによると、冬の間はラニーニャ現象に近い状態が続くが、次第に弱まるため、春にかけてラニーニャ現象の定義を満たすまでには至らず、平常の状態が続く可能性が高い(80%)。
エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象に近い状態となっている。 12月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.5℃で、基準値より低い値だった。また、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の10月の値は-0.4℃で、基準値に近い値だった。
太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部にかけて平年より低かった。太平洋赤道域の海洋表層の水温は西部で平年より高い一方、中部から東部では平年より低かった。 大気海洋結合モデルは太平洋赤道域の西部から中部で貿易風の強い状態となっており、中部から東部の冷水が強まり東進するため、冬の間はラニーニャ現象に近い状態が続くが、大気海洋結合の弱まりに伴いこの状態は長くは続かず、春にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が上昇し、基準値に近づくと予測している。以上のことから、冬の間はラニーニャ現象に近い状態が続くが、次第に弱まるため、春にかけてラニーニャ現象の定義を満たすまでには至らず、平常の状態が続く可能性が高い(80%)
エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。