美少年! 作画崩壊! 子安デビュー! アニメ『天空戦記シュラト』語り継がれて35年
残念だった作画崩壊
そして『シュラト』を語る際に避けて通れないのが作画崩壊です。アニメを観ていて「初めて作画崩壊に遭遇したのが『シュラト』だった」という方も多いのではないでしょうか。 2クール目まではキャラクターが良く動いていた作品なのに、3クール目に入ると急にキャラクターが暗い色になったり、動きがカクカクするようになったりしたのです。セリフだけはしっかりしているので物語の内容はわかるものの、シリアスなセリフのさなかに出来の悪い紙芝居がちょっと動くような状況で、「なんだこれ?」と愕然としたことを覚えています。 原因は、3クール目の原画や動画を海外に多数、発注したからだという説がありますが、詳しい理由は不明です。35周年を機に明かされることはあるのでしょうか。 ちなみに本作は当初、『聖闘士星矢』や『鎧伝サムライトルーパー』などの「美少年鎧モノ作品」として企画されたといいます。ところが当時はミニ四駆が人気だったため、メインスポンサーのバンダイから「ミニ四駆」を入れるようにと指示が出たそうです。シュラトたちが普段、シャクティを移動用の「神甲機(バルダ)」状態にしてサーファーのように乗っているのは、ミニ四駆を連想させるためのものだとか。 なお、実際にバンダイからはシュラトとガイ、「天王ヒュウガ」と「龍王リョウマ」のプラモデルが発売されており、シャクティを外すとミニ四駆の「ハイパーレーサー4WD」に装備できるギミックも用意されていました。当時のデザイン技術を考えると驚くべきことではあるものの、ヒットはしなかったようです。 2024年11月23日に開催される35周年を記念した上映イベントには、シュラト役の関俊彦さんや、ストーリーや設定を担当したあかほりさとるさんなど、豪華なゲストの登壇が予告されています。チケットは販売開始からほんの数分で売り切れており、「シュラト」の人気は今も健在であることがうかがえます。 きっとイベントの当日は、会場から35年の想いを乗せた「修羅 マッハ拳!」と声を合わせて叫ぶ光景を見ることが出来るのではないでしょうか。筆者は残念ながら争奪戦に敗れてしまいました。参加できた方々は、ぜひ楽しんで来てください ※記事の一部を修正しました。(2024年10月31日18時33分)
早川清一朗