グルコサミンに話題の「NMN」も…ダマされるな!「飲んでも効かないかもしれないサプリ」の「全リスト」
『週刊現代』の特集第2章『降圧剤とセサミン、ウコンと糖尿病の薬…実はリスクが高いサプリと薬の「ヤバい飲み合わせ」』より続く。 【一覧】えっ、あれも…飲んでも効かない「サプリ」はこちら
未だ効果が不明瞭なNMNサプリ
「最近になって若返り効果があると注目されているNMNサプリは、筋力など身体能力の低下を改善すると宣伝されます。ただ、効くか効かないか、実はまだよくわかりません。サプリ業界はメーカーが次から次に新商品を出してはブームになり、やがて消えていく世界。それが意味することは、ほんのわずかなサプリを除いて、ほぼすべてのサプリに効き目がないということです」(銀座東京クリニック院長の福田一典氏) 毎日、過剰なほど流されるテレビCMや新聞広告に影響されて、多くのサプリを買い込む人は少なくない。だが、飲んでもほとんど意味をなさないサプリも数多い。 予防医療サプリメントアドバイザーの柴田丞氏が語る。 「グルコサミンとコンドロイチンはイメージ戦略が非常にうまくいった商品です。CMでは『グルコサミンが膝関節に効く』とは言っておらず、膝によいのではないかと巧みに思わせています。少なくとも、口から飲んだグルコサミンやコンドロイチンが直接、膝などの関節に届くことはありえません。体内でブドウ糖とアミノ酸に分解されるだけです」 しばしば指摘されることだが、コラーゲンも同様に、大量に摂ったからといって17種類のアミノ酸に分解されて吸収されるだけ。肌の弾力が戻るなどということは科学的に証明されていない。 肌の保湿・保水によいとされるヒアルロン酸については、かつて柴田氏が、肌によいという実験データを出してほしいと、ある業者から依頼を受けた。そこで、マウスにヒアルロン酸を食べさせたら、たまたま肌の水分値が上がるというデータが出た。だがその後、同じ実験を後輩が行っても、同様のデータは取れなかったという。
8割超が不適正な表示
『病気になるサプリ 危険な健康食品』の著者で、東京大学非常勤講師の左巻健男氏が指摘するのは、乳酸菌などを含むサプリである。 「飲んでも強力な胃酸で死んでしまい意味がないという研究もあれば、その死骸も健康によいのだという学説も出ている。牛乳が消化によい面があるなど栄養的には意味があるかもしれないが、健康にどれほどプラスになるかは疑わしいです」 また、血中コレステロール値を下げたりがん予防効果があると言われるクロレラは、'60年代から健康食品になっている。だが、左巻氏によれば、ヒトに対するがんの予防効果を示した科学的データは存在しないという。 そもそも、ある症状に対して本当に効くというデータが実証されれば、医薬品として承認されるはずである。 中には、有効成分自体が十分に含まれていないサプリも存在する。 おない内科クリニック院長の小内亨氏が語る。 「国立医薬品食品衛生研究所が健康食品の成分調査をしていますが、103製品のうち、22製品で表示されている成分が含まれなかったと報告しています。医薬品と同等の試験を経て、その効果が認められたサプリは極めて少ないのが実情です」 今年3月に東京都が発表した「健康食品試買調査結果」によると、都が購入した健康食品の実に84%に、不適正な表示や広告を発見したという。健康保持増進効果について誤認を与える恐れがあったり、医薬品のような効能を標榜していたと指摘されている。 サプリの製法には医薬品のような厳密な規定がなく、誇大広告をしても、厳しい罰則がない。