“居酒屋はしご” で一方通行を逆走の車に…「“過失”であるわけがない」母を亡くした兄妹「危険運転致死」での起訴求めオンライン署名活動【富山】
井野さんの長女 広瀬すみれさん 「過失で送致されたと聞いたときは、本当にがっかり。憤りがありました」 2人は「過失運転致死罪」より刑が重い「危険運転致死罪」での起訴を求めています。 「過失運転致死罪」は、必要な注意を怠った運転を処罰するもので、刑罰は最大で懲役7年。 一方、「危険運転致死罪」は、故意に危険な運転を処罰するもので、刑罰は最大で懲役20年です。 現行法の危険運転の適用要件は、飲酒について「正常な運転が困難な状態」とされていますが、呼気中のアルコール濃度など明確な基準は示されていません。 立証が難しいことなどから、過失運転致死傷にとどまることも多く、遺族らの署名活動などにより、より刑が重い危険運転致死傷に変更される事例が全国で相次いでいます。 ことし5月、群馬県伊勢崎市で、飲酒運転の車により、2歳の男の子を含む3人が死亡した事故でも、事故を起こした運転手は当初、過失運転で逮捕・起訴されましたが、その後の遺族側の求めにより危険運転致死傷が適用されました。 今回の井野さんの事故について、運転手の男性は、遺族に対し、居酒屋を2軒はしごして酒を飲み、代行がつかまらなかったため車を運転したと説明したといいます。 当時の警察の調べに対しても「飲酒運転になることはわかっていた」と、容疑を認めていたということです。 ■「母の口となるべき」オンライン署名を開設 飲酒運転をしたこと、一方通行の道を逆走したことなどから、遺族の2人は「故意に危険な運転をしたと認められるべき」と訴えています。 井野さんの長女 広瀬すみれさん 「『過失』なわけがない。わざと飲酒して、わざと車に乗ってって言う方を、不注意とされることが到底納得できない」 母親の無念を晴らすため、そして、飲酒運転による事故が2度と起こらないよう、2人は「危険運転致死罪」での起訴を求め、オンライン署名を開設しています。 署名は、19日午前10時時点で、3万6000人を超えています。
井野さんの長男 中田康介さん 「すごく正義感の強い母親でしたので、何も言えぬまま、悲惨な姿で亡くなった母を思うと、母親の口となり発信するべきだと。そういったことがもう起きてほしくないと思いますし。私たちが、そういう話とか気持ちを皆さんにお話をして知っていただきたい」 中田さんらは12月28日と29日、富山市のグランドプラザ街頭での署名活動を予定しています。
チューリップテレビ
【関連記事】
- 「1歳の息子が車に閉じ込められた」炎天下の駐車場でとっさの判断 救助の男性が迷わずとった行動とは 富山・南砺市
- 「やりたいことを堂々と」顔面動静脈奇形・河除さん 劇団員としてマスクなしで初舞台「ハイスペックイケメンにしか見えなかった…」富山
- なぜ母親は13歳の娘に不倫相手との性行為を見せたのか「変な親心で…」児童福祉法違反などの罪に問われた母親が裁判で語ったこと 子供の性被害がなくならない
- 「いい加減止めないと大変なことになる」梅毒が10年で女性は23倍に…骨や臓器に“ゴムのような腫瘍”放置すれば死に至る場合も 富山県でも急増“偽装の達人”体内でゆっくりと進行
- 「生まれてきてよかった」難病・顔面動静脈奇形の河除静香さん 見た目の悩みを乗り越え“この顔だからこそできること”