日本は「心の中の第2の国」 無名で来日→ブラジル代表W杯出場の元助っ人が認めた「宿敵」
【あのブラジル人元Jリーガーは今?】フッキ(元川崎、札幌、東京V):後編――東京Vサポが歌ってくれたチャントに喜び
“ハルク”のニックネームそのものとも言える強靭なフィジカルを持ち、パワーと同時に、技術とスピードも兼ね備える。シュートの決定力も、プレーにおけるインテリジェンスもある。ブラジル代表FWフッキは、Jリーグでプレーした3年半の間に日本のサポーターに強烈な印象を残した。 【動画】「驚異のミサイルキック」 本当に37歳?元ブラジル代表FWフッキの40m衝撃直接FK弾 「コンニチハー。ニホンゴ、スコシ。ムズカシイネ」 日本を離れて16年近く経つ今でも、そう笑顔で語りかけてくる。フッキの日本への愛情は、今なお非常に深い。 「僕は3つのクラブでプレーしたんだ。18歳と若く、ブラジルのヴィトーリアでプロデビューしてまだ2試合しか出ていなかった僕を、最初に日本に呼んでくれたのが川崎フロンターレだった。それがあるから、今の僕がある。本当に感謝しているよ。ただ、当時は素晴らしいブラジル人選手たちが活躍していたこともあり、実際に出場した試合数は一番少ないんだ。 それで、1年間コンサドーレ札幌(現北海道コンサドーレ札幌)に行った。(当時)J2だったけどとてもいいチームで、僕も25得点決めた。日本で多くのゴールを決めるようになったきっかけのクラブだから、やっぱり感謝ばかりだよ。 その次が東京ヴェルディ。僕にとっては、日本での一番いい時期だった。というのも、ラモス瑠偉監督とともに、僕らはJ1に昇格したんだ。僕も得点王になって、しかも歴代記録となる37ゴールを決めて、チームに貢献できた。だから、僕にとっても、サポーターにとっても、心に刻まれる年になった」 フッキに日本での思い出を聞くと、まず出てくるのがサポーターとのエピソードだ。 「ヴェルディサポーターが歌ってくれたチャントが、今でも記憶に刻まれている。『エー、フッキ・ゴール、フッキ・ゴール、フッキ・ゴール、フッキ・ゴール、ラー、ボンバ!♪』。ヴェルディでのJリーグ初戦、ザスパ草津戦でゴールを決めたんだ。すごく強烈なロングシュート。それで、サポーターがこの歌を歌い始めた。心に残ることだったよ。あの試合から、ピッチに入る時にはもう、ゴールを決めて、サポーターに喜びを与えるんだと思える自信が付いた」