「大喜利アイドル」は今や昔? 「渋谷凪咲」が“殺人鬼”役で挑む女優の本気度
■アイドル的な明るい演技にダメ出し 「GOETHE」(7月30日配信)では、主演映画「あのコはだぁれ?」の撮影前に演技を基礎から学んでいたことを明かしている。演技指導の先生から「撮影中に自分の目の前で起こっていることを、自分の物語として信じ込めるかが大事」と教わり、信じ込むためには自分の中にあるものを一度、全部抜かなければならず、そのための呼吸法も教わったと回想。実際、30分くらいかけて自分の呼吸だけに集中すると、頭も体も空っぽになり自分でも思わなかったような感情が湧いてきたという。 また、「ENCOUNT」(8月4日配信)では同映画の撮影でのエピソードを披露。自身が学校に赴任して初めて教室に入るシーンでは、旅番組のレポートのように明るい笑顔で演じてみたところ、監督から「何か違うな」とダメ出しされたという。自身も「アイドル時代の気分じゃダメだ」と感じ、演技面は何でも監督に相談したと振り返っていた。こうしたエピソードから、女優業に対して片手間ではなく本腰を入れて取り組んでいることが分かる。 「彼女は今、いろんな壁にぶつかっているようです。アイドル時代はグループの目標に向かってみんなで走るという明確なものがあったが、卒業後はアイドル時代は普通だったことでも、芝居の現場でそれをやると過剰になったり、浮いてしまったりして加減が難しいと、インタビューで話しています。以前の経験が生きることもあれば逆もあり、そのあんばいを探りつつ、もがいている最中だそうです。壁を乗り越えるためにもがくことで身に付けた力が女優としての成長につながり、いつしか大喜利アイドルという印象も薄れていくかもしれません」(同)
■人気芸人からも「愛される」キャラ 芸能評論家の三杉武氏は渋谷についてこう述べる。 「渋谷さんの卒業シングルのカップリング曲『人生は長いんだ』では、かつて番組などで共演歴があり、親交が深いお笑いコンビ・ダイアンやかまいたち、見取り図が男性ボーカルとして参加しています。今や全国区の人気コンビとなった3組が歌録りやMV収録のために集まるあたりに、渋谷さんの愛されキャラぶりがうかがえます。バラエティー対応能力の高さや大喜利のセンスの良さで知られる渋谷さんですが、頭の回転も速く、表現力も豊かで、観察眼にもたけています。努力を惜しまないプロ意識の高さもあり、俳優としても成功する可能性は高そうです。渋谷さんはどちらかというと癒やし系のタイプで、周囲を笑顔にさせるオーラがあります。好感度も高いので、女優として知名度が高まれば、今後はCMでも重宝されるようになるでしょう」 新ドラマでは狂気的な役を演じる渋谷。2025年は女優としてどんな活躍を見せるのか目が離せない。 (丸山ひろし)
丸山ひろし