新幹線、未明3時到着 県内震度5弱から一夜
●金沢、富山駅 乗客ぐったり 630人に影響 能登地方で最大震度5弱を観測した地震から一夜明け、石川県や地元自治体は27日、被害の確認を進めた。地震の影響で、北陸新幹線は富山-金沢間で運転を見合わせ、倶利伽羅トンネル内では富山行きの「つるぎ」が停止したが、同区間は未明に運行を再開。約630人に影響し、各駅では疲れた表情で帰路に就く利用客の姿が見られた。 倶利伽羅トンネル内で3時間45分にわたって停車していた「つるぎ」は、27日午前2時半ごろに動き、乗客約70人が新高岡駅と富山駅で降車した。 乗客によると、トンネル内を走行中にスマートフォンの警報音が鳴り響き、車内が消灯して緊急停止したという。名古屋への出張の帰りだった南砺市の水木明さん(65)は「緊急地震速報の音が鳴り、正月の地震を思い出して怖かった」と振り返った。 列車は午前3時ごろに富山駅に到着。駅員が改札前でペットボトルの水やビスケットを乗客に手渡した。 一時運転を見合わせた「はくたか577号」は午前3時12分ごろ、約4時間遅れで金沢駅に到着した。乗客によると、停車中の車内では寝て過ごす人が多く、目立った混乱はなかったという。 出張先の函館市からの帰路だった金沢市の会社員井上卓さん(33)は「いつ着くのかと不安だった。朝からまた仕事なので早く休みたい」と、ぐったりした様子で話した。 27日の北陸新幹線は始発から通常通り運行された。