【正確な表記、知ってた?】『ミシュランガイド東京2025』発表:改めて歴史を振り返る
ミシュランガイドは本国版AUTOCARの6年先輩
10月17日、ウェスティンホテル東京において、『ミシュランガイド東京2025』の発表会が行われた。 【写真】『ミシュランガイド東京2025』発表会の様子はこちら (57枚) 受賞セレモニーの1時間半前に、メディア向け説明会を別室で実施。そこでは改めて、ミシュランガイドの概要が説明された。 ミシュランガイド・RPWA事業部執行役員の三輪唆矢佳氏によると、ミシュラン社の始まりは1889年と言うから、1895年創刊の我らAUTOCARよりさらに6年前だ。 130年以上前のフランスはまだまだ道が悪く、同社はタイヤのユーザーが安心して遠出できるように、修理工場の場所や宿泊場所などを載せたガイドブックを発行。それが1900年、『ミシュランガイド』の最初の姿だ。 同社はガイドを作るだけでなく、国道の番号付けや道路標識の統一などを並行して行い、交通環境を整えていった。つまり、自動車の発展と共に広がるドライブの楽しみを、ソフトとハードの両面から作り上げ、支えていったのがミシュランだと言えるだろう。 掲載したレストランに3段階で星表示を付けたのは1931年のこと。この星は単なる点数表記ではなく、三つ星は『そのために旅行する価値のある卓越した料理』、二つ星は『遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理』、一つ星は『近くに訪れたら行く価値のある優れた料理』を表している。発祥時の理念通り、『遠出する目的を提供する』という、あくまでモビリティに関連した定義になっていることに、改めて感じ入る。 ちなみに、何かを評価する時に我々はよく星の数で言い表すが、本家ミシュランでは表記が決まっている。『三つ星』のように、漢字+ひらがな+漢字が正解。『3つ星』や『三ツぼし』などは、ミシュランの表記ではないのだそうだ。
『ミシュランガイド東京2025』の総掲載数は507軒
星の評価は、インスペクターと呼ばれる同社の調査員が匿名で来店、調査し、合議性による決定会議を経て決まる。インスペクターは海外でも厳しいトレーニングを受けており、必要に応じて何度でも来店するそうだ。 評価基準は世界共通で、『1:素材の質』、『2:料理技術の高さ』、『3:味付けの完成度』、『4:独創性』、『5:常に安定した料理全体の一貫性』の5つ。 現在は3段階の星以外に、『価格以上の満足感が得られる料理』を表すビブグルマン(ミシュランマンが舌ペロをしているアイコン)と、さらに『ミシュランガイドおすすめの飲食店・レストラン』としてセレクテッドレストランというカテゴリーもある。後者は年に一回の『ミシュランガイド』の発行を待たずに、同公式ウェブサイトやアプリに随時紹介される。 さて、肝心の『ミシュランガイド東京2025』。今回の総掲載数は507軒で、そのうち64軒が新規だ。料理のカテゴリーは34種類で、デザートを中心とするコース料理の店が初めて登場した。 星の評価の内訳は、三つ星12軒、二つ星26軒、一つ星132軒、ビブグルマン110軒、セレクテッドレストランが227軒。そして、サステナブルな取り組みを評価する『ミシュラングリーンスター』12軒も表彰対象となっている。 さらに、個人を対象としたアワードとして、メンターシェフ、サービス、新たにソムリエの部門で表彰が行われた。