代理人発言でムココとドルトムントの関係が悪化 首脳陣は適正価格で移籍容認の方針に転換
チーム内での序列が低下
12日(現地時間)、ボルシア・ドルトムントはホッフェンハイムからFWマクシミリアン・バイアーを完全移籍で獲得したと発表した。同クラブは、今夏の移籍市場でFWセール・ギラシに続いて2人目のセンターフォワードを補強した。 バイアーの加入によって、FWユスファ・ムココの去就に今後さらに注目が集まることになるだろう。ドルトムントの下部組織から驚異的なスピードでトップチーム昇格を果たし、16歳1日というブンデスリーガの史上最年少デビュー記録も打ち立てたことから神童とも呼ばれている同選手だが、昨季は公式戦での先発出場がわずか5試合に留まるなど、ここへ来て成長曲線の鈍化が指摘されている。 こうした状況下で、ムココの代理人を務めるパトリック・ウィリアムズ氏がドイツメディアの取材に応じた際に「ユスファはプロ契約の際に多くのことをドルトムントから約束されたが、それらは守られなかった」とクラブを批判したことから両者の関係は悪化。セバスティアン・ケールSDら首脳陣は、今後ムココの市場価値に見合った適正価格のオファーがあれば移籍を容認する方針に転換しつつあるとドイツ紙『Bild』は伝えている。 現状ムココの獲得に向けてマルセイユが正式にオファーを提示したが、移籍金の金額が希望額に届いていなかったためにドルトムントが拒否したとされている。ドルトムントは、1500万ユーロ(約24億円)から2000万ユーロ(約32億円)の間を交渉開始のラインに設定しているとも『Bild』は報じている。 ドルトムントは10日にウェストハムとテストマッチを行い、MFユリアン・ブラントとMFエムレ・ジャンのゴールによって2-0で勝利した。しかし、この試合でヌリ・シャヒン監督は、本来ならウイングが本職であるFWカリム・アデイェミをセンターフォワードとして起用し、ムココはベンチ入りこそしたものの最後まで出番は回ってこなかった。 ブンデスリーガ開幕を目前に控えた時期に行われたプレミア勢との試合で起用されないというのは、ムココのチーム内での序列が低下していることを物語っている。同時に、移籍の可能性が濃厚になりつつあるとも言えるだろう。
構成/ザ・ワールド編集部