吉高由里子「光る君へ」勝因は“旧ジャニゼロ”でも女性の新規層獲得にあり 「配信」で大河史上最高視聴数
俳優・吉高由里子(36)が、主人公の紫式部(まひろ)を演じたNHK大河ドラマ「光る君へ」の最終回が15日に放送されて有終の美を飾ったことで話題を呼んでいる。今作は初の「平安貴族」を描いた大河ドラマ作品となり、「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生み出した大石静氏がオリジナル脚本を手掛けた。 吉高由里子と熱愛報道「一般企業に勤める会社員」って? 30代でも年収5000万円のハイスペ層はいる 初回から最終回までの関東地区の期間平均視聴率が10.7%で、大河ドラマ史上ワースト2位。その一方で、配信サービス「NHKプラス」の平均視聴端末数が、第45話(11月24日)までの集計で37.8万UB(ユニークブラウザー)と、記録がある2020年以降で最高となった。 放送当初は、平安中期の貴族社会が舞台で、合戦などの派手なシーンがないことや、道長とまひろの恋愛模様が描かれることなどから、大河ファンからは懸念の声も上がったが、「NHKプラス」での視聴数が歴代大河ドラマでトップの数字を叩き出したことは、配信で見る新たな層を獲得できたことを裏付ける。 「女性の生きづらさが凝縮された平安時代で、紫式部や清少納言らの文学が果たした役割の大きさを描き、藤原道長と紫式部の関係性の新解釈を提示しながら、人の思いの不変さをヒューマンドラマとしてもしっかり描き切った印象です。今まで大河ドラマに堅苦しいイメージを持っていた新規視聴者層が反応し、『光る君へ』がきっかけで、NHKプラスに入会したという声もネットでは散見されています」(ドラマ制作関係者) ■“ジャニーズ学芸会”の声もあった「どうする家康」 また今作では、前作「どうする家康」と違い、旧ジャニーズタレントの起用がゼロだったことも、結果的に新規の視聴者層を獲得できた要因になったとみる向きがある。 「NHKとしても、大河ドラマに女性や若い視聴者を取り込みたいというのは長らくの課題だったのでしょう。そのため前作の『どうする家康』は、嵐の松本潤、山田裕貴、杉野遥亮、板垣李光人ら、女性人気の高い俳優を中心にキャスティングするだけでなく、過去最高となる旧ジャニーズタレント4人を起用しました。一方、今作では、旧ジャニーズ勢の起用はゼロということもあり、《去年の『ジャニーズ学芸会大河』とは月とスッポンぐらいの違いの今作だった》と旧ジャニーズ勢が大河にキャスティングされていなかったことにより、ドラマとしてのリアリティーが増したという視聴者の感想も見受けられました」(同) 最終回を迎え、《道長とまひろロス》を嘆いていた視聴者も多い。恋愛をテーマに盛り込んだ新たな大河ドラマの形を提示し、実力派の俳優たちでメインキャストを固め、カラテカ・矢部太郎(47)、ロバート・秋山竜次(46)、はんにゃ・金田哲(38)ら、お笑い芸人の演技も良いスパイスとなった今作。視聴率としては、前作「どうする家康」の期間平均視聴率11.2%を下回る結果となったが、あからさまに女性人気を狙ったキャスティングよりも、歴史ドラマ、ヒューマンドラマとしての質を高めることに注力したキャスティングと、緻密な人間関係のさまを描いた「光る君へ」の方が、結果的に、大河ドラマが苦戦してきた女性視聴者層の獲得につながったようだ。