出場3人だけの学生個人男子5000m「ぼくが盛り上げたい」 創価大学・小池莉希、駅伝を意識し、終始単独走でV
6月15日の学生個人選手権男子5000mで、創価大学の小池莉希(2年、佐久長聖)が13分47秒3で優勝した。終始単独走で自分の走りを貫いての結果だった。 【写真】名前をコールされ、チームメートに笑顔を見せる小池莉希
「駅伝を意識して」はじめから飛ばした
このレースにはもともと9人がエントリーしていた。しかし当日出走したのは、小池と青山学院大学の白石光星(4年、東北)平松享祐(2年、中部大一)の3人のみ。写真判定機の不具合がありスタート直後に取りやめとなり、3分後に改めてスタートの号砲が鳴った。 小池は最初からスパートをかけているような速さで、1周目は61秒。この時点で青学の2人とはすでに少し差がついた。1000mを2分40秒で通過と場内にアナウンスが流れると、応援しているチームメートからは「おお~」と声が漏れた。その後の1000mは2分44秒、2分48秒、2分52秒と次第にペースが落ちた。ラストの1000mでは2分40秒とペースを上げたものの、大会記録の13分45秒20には2秒届かずだった。 このレース、小池は「駅伝を意識して走る」ことをテーマに臨んだ。誰かがついても、駅伝は最初から突っ込むのが基本だと考え、2分40秒で入る想定でそれをクリア。そこから粘ることを意識していたが、「やっぱりまだまだ自分の地力が足りないというか、3000mから4000mで休んでしまって。最後2分38秒で上がれば13分45秒を切れたんですが、そこを切れなかったのは自分の甘さというか、大きな課題の一つに挙げられると思います」とまず課題を口にした。 しかし、しっかりと勝ち切れたことは収穫だといい、いいところ、悪いところをしっかりと受け止めて次の出場予定のホクレンディスタンスチャレンジにつなげたいと話した。ホクレンでは10000mで27分台、5000mは13分30秒台、調子が良ければ20秒台も狙いたいと話す。来年の日本選手権5000m出場を視野に入れているが、近年は全体のレベルが上がり、13分25秒を切らないとエントリーメンバーに入れない状況。それも踏まえつつ、「しっかりともう1度30秒台を出して、安定した力を発揮できるようにしたい」と話す。 3人のみのレースとなったことについて、「想定はしていたんですけど、少し残念だなという気持ちです」と率直な気持ちを明かしつつも、全日本大学駅伝関東地区選考会の1週間前、日本選手権の約10日前という日程もあり、各大学があまり重きを置いていないとは理解していた。「開催意義がどうなのかな、というのも少し感じたんですけど、ぼくがしっかり盛り上げたいなという意識を持って臨めました。大会記録は出せなかったんですが、しっかり1人で押せたのは収穫だと思います」と改めて充実した表情を見せた。