豪経済のソフトランディングに「慎重ながらも自信」-財務相
(ブルームバーグ): オーストラリアのチャルマーズ財務相は、1-3月(第1四半期)の経済成長率が低水準にとどまり、根強いインフレが続いているものの、豪政府は経済をソフトランディング(軟着陸)に導くことに「慎重ながらも自信」があると述べた。
12日のモルガン・スタンレー・オーストラリア・サミット2024での講演テキストの抜粋によると、チャルマーズ財務相は先月発表された政府予算案について、景気の弱さを見込み、それを勘案して作成されたと説明。1-3月の経済成長率はわずか0.1%だった。同氏は賃金の上昇や予定される減税について強調し、金利上昇を受けて急激に鈍化している家計支出を下支えするとの見方を示した。
チャルマーズ財務相は「これが狭い滑走路へのソフトランディングの様子だ」と指摘。「これはわれわれが慎重ながらも確信しているソフトランディングだが、それで自己満足しているわけではない」と述べた。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)による計13回にわたる利上げという積極的な引き締め政策を受けて、豪州経済は鈍化している。インフレ率が中銀目標の水準に戻るには予想よりも時間がかかる見込みで、政策当局が時期尚早の緩和を避けようとする中、豪中銀は政策金利を4.35%に据え置いている。
チャルマーズ財務相は、「インフレ抑制の取り組みにより、欧州では経済成長が止まり、カナダでは失業率が2年ぶりの高水準に上昇したほか、米国ではインフレの進行が鈍化している」と指摘。「この複雑な環境下でソフトランディングを達成することがわれわれの予算の焦点であり、財政戦略を形作った」と述べた。
原題:Australia’s Economy Is on Track for Soft Landing, Treasurer Says(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Ben Westcott