夏の奄美大島でしか見られない 2mの海底ミステリーサークル!? 〈世界自然遺産の遊びかた〉
この島固有のアマミノクロウサギと夜の森で遭遇
奄美大島といえば、アマミノクロウサギ。せっかくだから、見てみたい。 とはいえ、夜行性のアマミノクロウサギを目撃するには、当然ながら夜の森に行かなくてはなりません。夜となると、猛毒のハブや虫などが出るかもしれず……。やはり、その土地を知り尽くしたエコツアーガイドに案内してもらうのが一番です。 奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の公式サイトにフィールド別のガイドのリストが掲載されているので、ご参考に。 ナイトツアーはいくつかの市道で開催されていて、そのうちの「三太郎線」を体験しました。三太郎線では混雑しないよう、ルートの東西の入り口から30分おきに車1台ずつという制限があり、通行には事前の予約が必要です。 ツアーは、ガイドの車で時速10キロのゆっくりとしたスピードを保ちながら、夜の森を進みます。いくつかのポイントでは車外に出て、ガイドが木の枝や川のたまりに隠れている生物を見つけてくれることも。道中は動植物の生態にまつわるお話も聞けて、さらに興味が湧いてきます。 そんなくつろいだ雰囲気の中、ふとヘッドライトに照らし出された黒い物体が! なんとアマミノクロウサギです。 車外に出て、アマミノクロウサギとの距離を2メートル以上キープしながら、「写真を……」とカメラを手にした瞬間、隙をついて草むらに飛び込んでしまいました。残念! そんな遭遇が何回か繰り返されました。希少種のアマミノクロウサギに思いのほかあっさりと出会えたことに驚きです。
国内第2位のマングローブの原生林をカヌーで行く
奄美大島は川も冒険の舞台です。島の中部を流れる住用川の河口付近には、西表島に次いで国内2番目の規模を誇るマングローブの原生林が広がっています。 道の駅に併設された「黒潮の森 マングローブパーク」では、カヌーツアーを開催しています。カヌーは目線が水面に近いのとモーターなどの騒音がないことがメリット。パドルがたてる水音を聞きながら、住用川の支流を進み、マングローブの原生林を目指します。 日本産のマングローブ7種のうち、ここにはメヒルギとオヒルギが繁茂しているそう。カヌーならマングローブにグッと近寄ることができ、タコの足のような気根や地面に刺さっている種もすぐそばで見られます。 今回は大自然にフォーカスしてみましたが、島唄や伝統食など文化や慣習も面白そう。そのあたりも探ってみたいところです。 奄美大島 ●アクセス 空路は東京(羽田、成田)や大阪からの直行便のほか、沖縄から1時間、または鹿児島から50分など ●おすすめステイ先 奄美山羊島ホテル 古関千恵子(こせき ちえこ) リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。 ●オフィシャルサイト
古関 千恵子