現役ブラジル代表が…日本人Jリーガーに虜 海外名将は「移籍しないか?」、熱視線送られた異才【コラム】
選手だけではなく外国人監督からも好かれ…「ウチに移籍しないか?」
超一流プレイヤー同士ともなれば、多くの言葉を交わさずとも、プレーや駆け引きを通じて相手の能力を見抜き、その実力を認めるものなのだろう。そうでなければ、わざわざミックスゾーンで律儀にユニフォームを手渡ししたりはしないはずだ。 現役ブラジル代表選手がリスペクトを込めて、自らコミュニケーションを取ってくれたのは、然るべき理由があったということだ。この年の17年は北海道コンサドーレ札幌に加入したばかりのタイ代表チャナティップからもユニフォーム交換をせがまれており、試合後には2ショット画像を公開している。このように、対戦した外国人選手から尊敬を集める存在だった。 ほかには、ヴィッセル神戸時代のアンドレス・イニエスタが、対戦したJリーガーで印象に残っている選手として中村の名前を最初に挙げて番組で絶賛していたのも有名な話かもしれない。バルサファンを公言している中村本人は、「朝起きてすぐに家族全員で録画を見て大喜びしました」とSNSで報告するほど喜んでいた。 選手だけではない。外国人監督からも好かれており、過去には鹿島アントラーズを率いてJタイトルをもたらしたオズワルド・オリヴェイラやトニーニョ・セレーゾといった名将からも、「ウチに移籍しないか?」「ケンゴ、鹿島で待ってるぞ」などと、試合後に顔を合わせるたびに冗談半分のラブコールをよく受けており、本人は苦笑いしていた。 日本代表デビューはイビチャ・オシム監督時代であり、外国人の名将からも高く評価されていたと言える。フィジカル的に突出していたタイプではないが、ピッチを俯瞰する眼と優れた戦術眼によるゲームメイクで試合に彩りを与えていた彼は、監督としてもピッチに置いておきたい存在だったに違いない。 すでに指導者の道を歩み始めており、今年7月にはS級コーチライセンスも取得した。稀代のゲームメイカーが、監督としてどんなサッカーをデザインしていくのか。今後の活躍がますます期待される。 (文中敬称略)
いしかわごう / Go Ishikawa