グリーンランド・パナマ…トランプ氏の領土野心、その背後には中国の影(1)
米国のドナルド・トランプ次期大統領が7日(現地時間)の記者会見で「グリーンランドとパナマ運河を米国の領土にするために軍事力投入も排除しない」と話して波紋を広げている。トランプ氏が領土拡張のために同盟国に軍事力を動員する場合があると示唆したことは今回が初めてだからだ。 会見直後には長男のトランプ・ジュニア氏がグリーンランドに飛び、「われわれはあなたがたをきちんと待遇(treat)するだろう」と話した。グリーンランド編入作業が実際に行われている可能性を暗示しているという解釈も出ている。 ◇「虚言」ではない場合も…緊急事態に陥った当事国 これまでトランプ氏の発言を実現の可能性が低いと評価していた雰囲気も変わりつつある。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「唯一残された疑問はトランプ氏が実際に脅威を実行に移すかどうか」と伝えた。トランプ氏の発言が虚言ではない場合もあるという意味だ。 編入対象になった当事国は緊急事態に陥った。2019年トランプ氏がグリーンランド購入に意欲を示した時は「馬鹿馬鹿しい」と言って一蹴していたデンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、この日現地の放送に出演して「グリーンランドはグリーンランド人のもの」としながら「われわれは米国の同盟」と話した。これは「加盟国が攻撃を受ければ自動介入する」という北大西洋条約機構(NATO)憲章5条を掲げた法的対応方式に近い。 トランプ氏の圧迫ですでに辞任意思を明らかにしたカナダのジャスティン・トルドー首相も「経済的強圧を通じてカナダを米国51番目の州にする」というトランプ氏の発言直後「両国は最大貿易および安保パートナーとして恩恵を受けている」として同盟関係を強調した。 ◇世論も動揺…「米国編入のほうがいい」主張も 彼らの焦りの反応は世論とも無関係ではない。グリーンランド現地メディアによると、グリーンランド住民の多数は「MAGA」(Make America Great Again・米国をさらに偉大に)がプリントされた帽子をかぶってこの日トランプ・ジュニア氏を空港で迎えた。住民のマロ・ライマー氏は「デンマークとグリーンランドは平等な関係ではなかった」とし「米国がわれわれを同等に扱ってくれるなら、米国に編入すべき」と話した。 グリーンランドのムテ・エーエデ首相は今年の新年のあいさつで「植民地時代の鎖から抜け出さなければならない」としてデンマークからの独立を示唆した。エーエゲ首相は独立を支持する左派政党「イヌイット友愛党」の党首も務めている。トランプ氏は「グリーンランドに住む4万5000人(実際は約5万6000人)が投票をするなら米国に編入されるだろう」としながら世論を刺激した。同時にデンマークに対しては「グリーンランドの独立を邪魔すれば非常に高い関税をかける」と脅した。