B1仙台89ERS 志村雄彦社長インタビュー…創設20周年の来季「CSを狙える戦いをしたい」
仙台89ERSの志村雄彦社長(41)が、このほど「とうほく報知」のインタビューに応じた。東地区6位で終えた今季は、B1でのクラブ史上最高勝率となる4割5分をマーク。26年度から始まる新トップリーグ「Bプレミア」参入条件の一つである「年間来場者12万人」も達成するなど、充実したシーズンとなった。来季、創設20周年の節目を迎えるチームの現在地と、さらなる飛躍に向けての意気込みなどを語った。 (取材・構成=秋元 萌佳) ■売り上げ12億円へ 今季30勝を目標に掲げた仙台89ERSは、27勝33敗でB1ではクラブ史上最高勝率をマークした。22―23年季は4392得点でB1最少だった総得点数は4759得点で24チーム中12位に。持ち前の守備に加えて、課題の攻撃面が改善した。ラショーン・トーマスがけがで離脱する期間もあったが、新加入の阿部諒やヴォーディミル・ゲルンが全60試合に出場して核となるなど安定感が光った。「選手自身がやりたいバスケをやれていた。『このメンバーでよくやったね』と言われることも多かったが、うまくかみ合えば30勝には届くと思っていたので、いい目標を立てられたなと思う」 ■ホームで勝ち星増 成績だけでなく、26年に始まるBプレミア参入に向けて資本、動員ともに大きな成長を見せた。霞ヶ関キャピタルの資本参画もあり、売り上げ12億円は達成見込み。一番のハードルだったホームの平均観客数も、3375人から4373人に増え全試合満員御礼で年間12万人を達成した。今季は水曜のナイターを「ナイナーズ横丁」として、飲み物とつまみがセットになったチケットを出すなど仕事帰りの客層もゲット。さらに「土日は部活で来られない学生などが訪れてくれたのも大きかった」と新たな発見もあった。「ナイナーズが頑張っていると評価して、信じてくれる方がたくさんいたおかげ」と昨季は8勝22敗と大きく負け越したホームでも14勝16敗と、仙台の“黄援”とともに勝ち星を積み重ねた。 ■感謝して恩返しを 来季はクラブ創設20周年の節目を迎える。地域との連携以外にも、海外チームとの交流や、今季初めて行ったユース育成特別枠選手の帯同など、育成面にも力を入れるつもりだ。Bプレミア初年度優勝という大きな目標に向け同社長は「プレーオフ、CSを狙える戦いをしたい。たくさんの人に感謝して、恩返ししながら、町の皆さんと着実にステップを踏める1年にしたい」と意気込んだ。
報知新聞社