男性殺害事件、弁護側が無罪主張「4年にわたる捜査でも証拠ない」
大阪府羽曳野市の住宅街で2018年、顔見知りの男性を刺殺したとして、殺人罪に問われた無職山本孝被告(48)の裁判員裁判が10日、大阪地裁で始まった。山本被告は「やっていません。私は犯人ではありません」と無罪を主張した。 起訴内容は18年2月17日夜、同市軽里3丁目の路上で、会社員の平山喬司さん(当時64)=藤井寺市=の背中を刃物で刺し、出血性ショックで死なせたというもの。山本被告は事件から4年後の22年2月、大阪府警に逮捕された。 検察側は冒頭陳述で、現場付近の車のドライブレコーダーに「犯行時間の前後、被告と身体的特徴が合致する人物が記録されている」と主張。知人宅を訪れていた被害者とは植木を巡ってトラブルになり、犯行の動機があると訴えた。 弁護側は、被告が事件当時、自宅にいたことを妻が確認していると反論。「検察側の主張は推論に過ぎない。4年にわたる捜査でも、山本さんと犯行を結びつける証拠はない」と主張した。 公判は予備日も含めて28回予定され、判決は9月27日に言い渡される。(大滝哲彰)
朝日新聞社