マカオの2024年8月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも売上額対前年マイナスに
マカオ政府統計・センサス局は10月18日、今年(2024年)8月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。マカオのツーリズム市場において8月は夏休みシーズンのハイシーズンにあたる。 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前月から2.6%上昇。ジャンル別では西洋スタイルのレストランが2.3%上昇、日韓レストランは1.1%の下落だった。また、小売業者の売上額も8.5%上昇。ジャンル別ではコスメティック・衛生用品、百貨、時計・ジュエリーがそれぞれ16.3%、16.1%、15.9%の上昇、自動車は47.7%下落。 前年同月と比較した売上額については、飲食業で10.2%下落、小売業についても22.2%下落。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の下落幅(-16.6%)が大きかった。小売業では時計・ジュエリー、コスメティック・衛生用品、百貨がそれぞれ37.3%、22.0%、21.5%の顕著な下落となり、スーパーマーケットは0.1%の軽微な上昇。 8月と比較した9月の見通しについては、夏休み終了後となることから、飲食業の53%が下落、13%が上昇、小売業では47%が下落、10%が上昇とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の66%と日韓レストランの56%、小売業のうち百貨商の75%、コスメティック・衛生用品小売の70%が下落と回答。 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が30.0、小売業が31.8で、いずれも基準値となる50を下回り、8月に比べて9月の売上が悪化するとみていることを示す結果に。 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。 マカオでは昨年1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。今年1~8月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から32.7%増の2339万2903人、2019年同時期と比較した回復率は85.3%。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、リベンジ消費の減退、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことで「北上消費」と呼ばれる広東省珠海市への消費流出など、マカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとの指摘もある。