産直市などで販売される手作りの漬物や梅干しがピンチ 食品衛生法の改正に伴う生産者の悩み【徳島】
JRT四国放送
今、産直市などで販売されている手作りの漬物や梅干しがピンチです。 食品衛生法の改正に伴い、漬物の販売に許可が必要になるためですが、長年、製造を続けていた生産者は「残念」と肩を落としています。
梅干しを作る 三木清子さん(78)
徳島県つるぎ町貞光の農家・三木清子さん(78歳)は、約30年前から手作りした梅干しを町内の産直市に出荷してきました。 (梅干しを作る 三木清子さん(78)) ((Q.いつ漬けたものですか?)去年の6月。(Q.1年でどれぐらいの量?)120kgぐらい。塩は1割5分で、言い伝えで習って、それをそのまましていっきょる。昔から代々そうやってしてきたけんな」 三木さんは、長年、梅干しやらっきょうの漬物を作ってきました。 利益はあまりなく、手作りの味を多くの人に食べてもらえればとの思いで続けてきましたが、2024年5月いっぱいで出荷をやめることにしました。 (梅干しを作る 三木清子さん(78)) 「もう来月いっぱいで許可がなかったらできんって言うけんな。もう高齢で歳が歳やけん、一生懸命つくって出しよったけど、出荷ができんようになったら寂しいけど、それもしょうがない」
なぜ、漬物の製造・販売に許可が必要に?
つるぎ町の道の駅にある産直市です。 地元で採れた新鮮な野菜だけでなく、手作りの漬物がお目当ての人もたくさん訪れます。漬物はこれまで、許可がなくても製造・販売することができましたが、2021年に食品衛生法が改正されたため、それ以降は一定の基準を満たした上で保健所の許可が必要になりました。 改正前に製造していた人を対象にした経過措置期間も、5月で終了します。 しかしなぜ、漬物の製造・販売に許可が必要になったのでしょうか? (県安全衛生課 吉田理恵課長補佐) 「平成24年に札幌市の会社が製造した白菜のお漬物で、腸管出血性大腸菌O157による食中毒が発生し、死者の方が出たり、入院の方も多数出るという事件が起こりました。で、今回、食品衛生法の改正に伴って、食中毒のリスクや過去の食中毒をふまえて、新たに今回漬物の製造に許可が必要となりました。一般的なもので言えば、たくあん漬けとか、白菜漬けとか梅干しとかが有名と思うけど、どんな風に作る、どんな原材料を使ってどんな風に販売するかによって、どんな営業許可が必要かが変わってくるので、食品を作る場合には保健所の方にご相談いただきたいです」 許可を得るには、一定の基準を満たす専用の製造場所が必要です。