イングランド代表を任せられるイングランド人監督はいない? プレミアを制したイングランド人監督が“ゼロ”の衝撃
自国で指導者が育っていない現実
来年1月より、イングランド代表監督にトーマス・トゥヘルが就任することが決まった。トゥヘルはドイツ人監督であり、イングランド代表を外国人監督が指揮するのはスヴェン・ゴラン・エリクソン氏、ファビオ・カペッロ氏に次いで3人目だ。 代表監督は自国から選んだ方が結果が出やすいとの声もあるが、イングランドの場合は指導者の育成に苦戦してきたところがある。現時点でトゥヘルよりも評価されているイングランド人監督はいないだろう。 英『GIVE ME SPORT』は1つのデータを紹介しているが、プレミアリーグ発足の1992-93シーズン以降、プレミアリーグを制覇したイングランド人監督は1人もいない。 他リーグを見ると、同期間ではセリエAでイタリア人監督の優勝割合が90%、ドイツ・ブンデスリーガではドイツ人監督の優勝割合が75%、仏リーグ・アンでは72%、スペインのラ・リーガでは44%となっていて、きっちりと自国の監督が結果を出しているのが分かる。 特にイタリアはインテルを指揮するシモーネ・インザーギ、一昨季ナポリをスクデットに導いた現イタリア代表監督ルチアーノ・スパレッティ、ユヴェントスで黄金期の礎を作り、現在はナポリを首位に押し上げているアントニオ・コンテ、ユヴェントスでコンテの後を受けて黄金期を続けたマッシミリアーノ・アッレグリなど、イタリア人監督が結果を出し続けている。選手の育成と同時に、自国のリーグで指導者の育成も進んでいるのだ。 カペッロ氏が退任した2012年以降のイングランド代表はロイ・ホジソン、サム・アラダイス、ガレス・サウスゲイトとイングランド人監督でバトンを繋いできたが、EUROで2度準優勝の成績を残したサウスゲイトでも手腕には疑問の声があった。 理想はプレミアリーグで結果を出したイングランド人監督を代表監督に抜擢することだが、今のところ実現の気配はない。今後しばらくは外国人監督に任せるのも良いかもしれない。
構成/ザ・ワールド編集部