辞職の大阪・橋下市長 なぜ「出直し選」をするの?
大阪市の橋下徹市長(大阪維新の会代表)が提出していた辞職届について、大阪市議会は14日、本会議で不同意としました。橋下市長は地方自治法の規定で27日に自動失職し、出直し市長選挙に打って出る姿勢を示しています。そもそもなぜ市長選が行われることになったのでしょうか?
「都構想」が行き詰まり
大阪市の出直し市長選は3月9日告示、同23日投開票です。橋下氏が出直し市長選で最大の争点と掲げているのが「大阪都構想」です。同構想は大阪府と府下の政令指定都市である大阪市、堺市を廃止し、東京都と同じような特別区に再編して「大阪都」を作ろうというものです。府と大阪市は長年二重行政が指摘されており、二重行政の無駄を省き、大阪の競争力を高めるのが狙いです。 橋下氏は大阪府知事時代の2010年に提唱し、さまざまな公約の中でも「一丁目一番地」と位置付けているものです。 年表を見ても橋下市長が大阪都構想を軸に動いていることがわかります。しかし、今年1月末に開かれた都構想の制度設計を話し合う法定協議会で、市を分割する特別区の区割り案4案について、橋下市長ら維新側が1案に絞り込むことを提案したものの、公明、自民、民主系、共産の各会派が「さらに議論が必要」と反対を表明。維新が目指す2015年春の大阪都移行の実現性が極めて厳しい状況になりました。そこで橋下氏は辞職→出直し市長選を決断したのです。 橋下市長は辞任会見で「このまま4つの案で議論していたら、5年かかってもまとまらない。法定協議会、議員の意思表示に反して1案に絞った設計図づくりを進めようと思えば、今回の(出直し)市長選で市民の後押しを受けなければならない」と説明。「選挙をする必要はないと反対する人もいるが、大義は大ありなんです」として、大阪都構想を前に進めるために民意を問う出直し市長選であることを強調。再選されれば夏までに1案に絞った区割りの設計図を作成する意向を示しています。さらに10月の住民投票、来年4月の新制度移行というスケジュールを目指すとみられます。