第94回選抜高校野球 浦学に一足早い春 2季連続の夢舞台(その1) /埼玉
<センバツ高校野球> ◇一戦必勝で全国制覇を 第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の選考委員会が28日、オンラインで開かれ、県内から浦和学院(さいたま市緑区)が選ばれた。同校のセンバツ出場は7年ぶり11回目、甲子園出場は2021年夏に続き2季連続。吉報を聞いた選手らはほっとした表情を見せ、「一戦必勝で全国制覇を」と意気込んだ。大会は3月4日に組み合わせ抽選会があり、18日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。【平本絢子、大平明日香】 センバツ出場決定の知らせが届いたのは午後3時20分ごろ。「謹んでお受けいたします」。緊張した面持ちの石原正規校長は、受話器を置くと頰を緩めた。 「皆さんが選抜高校野球大会に出場することになりました。コロナ禍で十分な練習ができず大変でしたが、できることをやってきた成果だと思います」。雨天練習場で待機していた選手たちは、石原校長の話に静かに聴き入り、表情を引き締めていた。 チームは21年秋に就任した森大監督のもと、秋季関東大会で4強入り。甲子園は春夏合わせて25回目の出場となる。 森監督は「選ばれてほっとした。7年ぶりのセンバツ出場なので、初出場のようなフレッシュな気持ちで挑みたい。今までの伝統を受け継ぎつつ、若さを売りにして全国制覇を目指したい。選手には『記録より記憶に残る試合をしよう』と伝えている」と意気込んだ。 2季連続の甲子園とあって「宮城(誇南)や金田(優太)らは夏も出ているので、連続して甲子園の土を踏めるのは大きい。初の甲子園はふわふわした気持ちだったかもしれないが、春はどっしりした気持ちでプレーしてほしい」(森監督)。宮城は「夏に(初戦で)負けてから、甲子園に戻るためセンバツに懸けてきた」と話す。「出るからには勝って、優勝を目指したい」。二刀流の金田は「ピッチャー中心で守備からリズムを作るだけでなく、打ち勝つ野球を見せられたら」と力を込めた。 主将の八谷晟歩は「昨夏は相手のスピード感に圧倒された。守り勝ってきたところは継続して、長打力が際立つような、自分たちの野球をしたい」と語った。 ◇校舎に出場祝う懸垂幕 7年ぶり11回目のセンバツ出場が決まった浦和学院の校舎に28日、出場を祝う懸垂幕(長さ7メートル、幅1・5メートル)が掲げられた=写真。校名や大会期間などとともに「祝センバツ出場」と記されている。 正門に近い第1校舎に掲げられ、早速、下校する生徒や職員、保護者らが見上げたり、携帯電話で写真を撮ったりしていた。