【単独インタビュー】立憲が目指す夏の参院選での政権交代 小川幹事長「通常国会は予算、企業団体献金、選択的夫婦別姓、政権の信任」で勝負へ
反省点は野党まとめきれなかった首相指名選挙 84の無効票に「責任逃避」
一方で、熟議と公開の国会にも反省点はある。小川氏は11月の特別国会で行われた首相指名選挙での対応を挙げた。 「首相指名選挙で野党の足並みを揃えられなかった。政権批判票の受け皿たりえたが、比例票が伸びなかったことに見られるように、党として積極的な魅力や期待にまではつながりきれていない」 石破茂自民党総裁が選出されたこの首相指名選挙では、参院は1回目の投票で石破氏を選出したが、自公両党が過半数割れした衆院は1回目の投票で誰も過半数に達せず、石破氏と立憲の野田代表による30年ぶりの決選投票にもつれ込んだ。しかし、結果は石破氏221票、野田氏160票、無効84票。他の野党をまとめきれなかった野田氏に対し、石破氏の得票が上回り首相に再指名されたのである。 こうした状況に苦言を呈したのは、1993年の衆院選で過半数を得る党がなかった状況で、8党派による連立政権を実現させた小沢一郎衆院議員だ。小沢氏は首相指名選挙から2日後の13日夜、東京都内の日本料理店で約1時間にわたり野田氏と会談。野田氏に対し、決選投票での無効票に触れ、「84票が入れば内閣が取れた。そのことをよく考えるべきだ」と伝えたという。 小川氏は「野田佳彦と書いてもらえず、野党第一党の求心力が欠けているのではないかという批判は甘んじて受け止めたい。一方、それは比較第一党になれなかったこと、参議院でなお自公が過半数を持っていることの構造的要因が大きい」と指摘。さらに、無効票を投じた他の野党、日本維新の会や国民民主党に対して疑問も呈した。 「決選投票では野田佳彦と書けない人は石破茂と書くべきで、石破茂と書けない人は野田佳彦と書くべきだ。どちらとも書けないというのは逃げであり、責任逃避以外の何物でもない」 小川氏は「政治家は有権者に対して、必ずしも満足する候補者がいなくても無効票にならないように、投票に行ってくださいと呼びかけている。その責任に照らせば非常に無責任極まりない行動だと今でも思っている」と憤る。