【中山大障害】ニシノデイジー 圧勝V 待望の復活劇 五十嵐「力を十分に出すことができた」
障害界の1年を締めくくるJ・G1「第147回中山大障害」が21日、中山競馬場で行われ、五十嵐雄祐(40)騎乗のニシノデイジーが5馬身差の圧勝。22年からの隔年Vを飾るとともに、99年ジャンプグレード導入以降でキングジョイ、オジュウチョウサンに続く史上3頭目の同レース2勝目を挙げた。 古豪ついに復活。ニシノデイジーを2年ぶりの勝利に導いた五十嵐は、約3万人の観客の前で雄たけびを上げ喜びを爆発させた。「最高です。なかなか勝てないレースが続いていたけど、この舞台を得意としているので力を十分に出すことができた。今日はデイジーが一番頑張りました」 序盤からベテランらしいスムーズな飛越で大きな障害を次々パス。一昨年、昨年のように折り合いを欠くそぶりもなくリズムも上々だ。最終障害を飛び終えた後も手応えは抜群。競り合っていた1番人気ジューンベロシティをあっさりかわし先頭に立つと、残った体力を振り絞る。終わってみれば2着エコロデュエルに5馬身差をつけていた。 入障後10戦で手綱を握る鞍上は「理想通りの競馬ができた」と納得の表情。「しまい勝負で切れるタイプの馬じゃないは分かっていたので、最終障害で先頭のイメージで競馬に乗ったが、思った通りにできた」とレースを回顧する。続けて「僕だけじゃなくデイジーも相当しんどかったと思う。最後は脚が上がっていたけど、もうひと踏ん張りしてくれた」と相棒をねぎらった。 9歳を前にして全盛期を思わせる鮮やかな快勝劇。五十嵐は「近走は引っかかるところがなかったので“あぁ、終わってきたのかな”と思っていたんだけど…それがいい方に向いていた。成長しているね」とパワーアップを実感する。今後について高木師は「オーナーと相談して決めます」と明言せず。現役続行か引退か。名ハードラーとして名を刻んだデイジーの今後に注目が集まる。 (鈴木 悠貴) ニシノデイジー 父ハービンジャー 母ニシノヒナギク(母の父アグネスタキオン)16年4月18日生まれ 牡8歳 美浦・高木厩舎所属 馬主・西山茂行氏 生産者・北海道浦河町の谷川牧場 戦績32戦6勝(うち障害12戦3勝) 重賞4勝目(障害2勝目)総獲得賞金3億3942万8000円 馬名の由来は冠名+すてきなもの。