「MRJ」と「あいち航空」ミュージアム開館 ── MRJ組み立て見学が人気
愛知県が航空機産業の情報発信拠点として計画した「あいち航空ミュージアム」が、県営名古屋空港(愛知県豊山町)にオープンした。同空港で初飛行した国産初のプロペラ旅客機として親しまれた「YS11」や、戦前の「零式艦上戦闘機(ゼロ戦)」など6機を展示。隣接地には、三菱重工業が開発を進める国産初小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の製造工程が見学できる「MRJミュージアム」も開館した。
パイロット体験できる「あいち航空ミュージアム」
「あいち航空ミュージアム」は11月30日にオープン。延床面積約7800平方メートル、地上2階建てのつくりで、上階から1階に展示されている実機6機を見下ろすことができる。その2階には、日本の航空史に名を残した100種類の名機を、25分の1サイズにした精密模型「名機百選」を展示。以前、名古屋空港ターミナルビルの航空宇宙館に並んでいたものを修復し、13年ぶりに公開した。屋上展望デッキに出れば、わずか滑走路から300メートルの近距離で、航空機やヘリコプターの離着陸を楽しむことができる。 初めての週末だった12月2、3日は計5443人が訪れた。定員がすぐに埋まる人気となったのが、小学1年生以上を対象としたパイロット職業体験。指導役から飛行機各部の働きを学んだ後、実際にYS11を間近で見て、そのメカニズムを確認する。最後にシミュレーター装置を動かし、離陸や巡航、着陸までのパイロット疑似体験ができる計50分間の内容になっている。 ほかにも映像にあわせて座席が動き、遊覧飛行の気分を味わえるコーナーや、さまざまな分解した機体の部品をじっくり見ることができる展示部など。館内はカメラ撮影が可能で、子どもたちが「大きい」と歓声を上げながら、実機の前で記念撮影をしてはしゃいでいた。 県は年間65万人の来場を見込む。同ミュージアムの武藤真依学芸員は「航空ファンはもちろん、子どもたちが航空産業を目指すきっかけ作りの場になればうれしい」と話した。