「3回目の結婚に迷いはなかった」熊谷真実 離婚から2年を経て8歳年下の夫と再婚するまで
── いえ、まっすぐで素直な方でいらっしゃるんだなと。ただ、年齢を重ねると、余計なことを考えすぎて、なかなか結婚に至らないケースも少なくありません。 熊谷さん:その感覚も理解できます。ただ、私たちの年代で結婚を考えたときに、一番大事なのは、自分で生活していける基盤があるかどうかが大きいと思うんです。60代以降になると、「離婚したいけれど、いま別れると年金がもらえない」という声も聞きますし、とどのつまりはお金という面も否めません。
私がたまたま3度目の結婚ができたのは、これまで培ってきた仕事で、ある程度の経済的な基盤ができていたというのもあるのかなと。こう言うと、“芸能界という特殊な世界だから恵まれている”と思われるかもしれませんが、決して先が保証されている仕事ではないですし、実際コロナのときはお仕事がなくなり、大変な思いも経験しました。だからこそ、これからのことを考えて、いろんなチャレンジをしてきたつもりです。 経済的な基盤があれば、金銭面で依存しあうことがないから、愛という部分の純度が高くなって、そこには楽しみしか生まれない気がするんですよね。お互い自立したうえで、寄り添うことができたら、相手にはプライスレスなものしか求めないんじゃないかしら。
PROFILE 熊谷真実さん 1960年生まれ。東京都出身。俳優。NHK朝の連続小説『マー姉ちゃん』(79年)、NHK大河ドラマ『功名が辻』(06年)、映画『死刑台のエレベーター』(10年)、映画『アンダードッグ』ほか出演。 取材・文/西尾英子 写真提供/熊谷真実
西尾英子