「ちょっとくらいなら」は許されない、自転車の「ながらスマホ」「酒気帯び」に厳罰、クルマ運転時と同等の緊張感を
■ 罰則導入されても減らなかった「ながらスマホ」の自転車事故 さて、2024年11月1日から、自転車に関する改正道路交通法が一部施行となりました。いま、このニュースがさまざまなメディアで一斉に報じられていますが、ここでもポイントだけ押さえておきたいと思います。 まず、スマートフォン等を手に持ちながら自転車を運転する「ながら運転」の罰則が強化されました。これまでは「5万円以下の罰金」でしたが、今回の改正によって「6か月以下の懲役、または10万円以下の罰金」へと引き上げられています。万一、「ながら運転」が原因で事故を起こした場合は、「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。 実際に、自転車の「ながら運転」による死亡・重傷事故は増加傾向にあり、警察庁の統計によると、2024年の1~6月は前年の2倍超になっています。スマホを手に持ち、画面を注視しながらの運転は大変危険なのでやめましょう。 もうひとつ、今回の改正では「酒気帯び運転」(*呼気1リットル中にアルコールが0.15mg以上)についての罰則が新設され、自転車の運転者も車やバイクと同じく、最高懲役3年、罰金50万円以下に処されることとなりました。 初日である11月1日には早速、全国各地で酒気帯び自転車が検挙されたようで、それを伝える以下のような報道が相次いでいます。 (外部リンク)自転車酒気帯び3人摘発、うち1人逮捕 改正道路交通法施行初日で栃木県警(とちぎテレビ) 「酒気帯び運転」の危険性は言うまでもありませんが、実際に、死亡・重傷事故率は、飲酒をしていない場合と比べて1.9倍高くなっているというデータがあります。自転車ならお酒を飲んでも大丈夫、という甘い考えは捨て、飲酒をした場合は絶対にハンドルを握らないよう気をつけてください。
■ 2026年度中に自転車にも「青切符」制度 では、冒頭で取り上げた自転車による信号無視などの危険な違反は、今回の道交法改正でどのように扱われるのでしょうか。 これについては、少し先になりますが、2026年中に「青切符」制度が導入される予定です。つまり、車やバイクと同じく、自転車の違反者に対しても青切符を切り、反則金を求めるということです。 すでに2024年3月には、「青切符」制度の導入が閣議決定しています。種類としては、信号無視、一時不停止、歩行者妨害、傘差し運転、右側通行、並行運転など100を超える違反が挙げられており、反則金は下記のように、5000円から1万2000円程度となる見込みです。 ・指定場所一時不停止…5000円 ・信号無視…6000円 ・通行区分違反(右側通行・歩道通行など)…6000円 ・遮断踏切立ち入り…7000円 ・携帯電話の使用等(保持)…1万2000円 青切符の対象は16歳以上となっていますが、小中学生でも、悪質な運転をした場合は児童相談所への通告などが行われる可能性があるので、この機会に親子で自転車のルールについてしっかり確認し、学ぶ機会を持つことが大切です。