被災地に関心持ち続ける 東日本大震災 追悼セレモニー 松川高校ボランティア部【長野県】
長野県の松川高校ボランティア部と子どもの居場づくりに取り組む松川町のNPO法人「Hug(ハグ)」は13日、上片桐の同法人で2011年3月11日に発生した東日本大震災の犠牲者を追悼するセレモニーを開いた。部員や地域住民ら40人余が参加。1月に発生した能登半島地震も含め、犠牲となった人たちに祈りをささげ、今後も被災地への関心を持ち続けていくことを誓った。 同部は被災地に花を「里帰り」させる活動を12年にスタート。「被災した人たちに笑顔を届けたい」と、石巻市の避難所で咲いていたペチュニアの種を譲り受け、生徒や町民たちが育てて咲かせ、届けている。以来毎年、花と町内産のリンゴやりんごジュースを直接同市などに届け、住民らとの交流を深めてきた。 20年からは新型コロナウイルスの影響で現地を訪問できず、花などを送り届けるのみに活動が制限されてきたが、コロナ収束を受けて昨夏、4年ぶりの訪問を実現させた。宮城県石巻市、女川町、福島県南相馬市などを訪れ、震災から13年がたった被災地の復興状況を確認した。 この日のセレモニーでは、これまでの活動や昨夏訪れた被災地の様子などを写真とともに紹介した。女川町産のサンマを使ったつみれ汁をふるまったり、メッセージを募集したり。締めくくりはバルーンリリースで、被災地へのエールを書き、ひもにペチュニアの種を紙で包んで結んだ風船を一斉に飛ばした。高く舞い上がる風船を見送りながら、被災地に思いを寄せた。 夏に被災地を訪れたボランティア部の部長(17)は「発生から10年以上がたち復興した場所がある一方で、被災した当時のままで残る場所もあった。まだまだ支援が必要」と強調。「年月とともに多くの人の関心が薄れていってしまうが、このセレモニーがあらためて地震や被災地、復興支援について考えるきっかけになればうれしい」と話した。