「内乱加担」警察庁長・ソウル庁長、初の同時拘束
「12・3非常戒厳事態」当時に国会統制を指示した容疑を受けている趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長と金峰植(キム・ボンシク)ソウル警察庁長官が13日、拘束された。ソウル中央地裁の南天奎(ナム・チョンギュ)部長判事はこの日夜、2人に対する拘束前被疑者尋問(令状実質審査)後、「証拠を隠滅するおそれがある」として拘束令状を発行した。警察国家捜査本部の非常戒厳特別捜査団(団長ウ・ジョンス)が12日に2人に対して内乱重要任務従事容疑で拘束令状を請求した翌日、現職の警察庁長とソウル警察庁長が同時に拘束されたが、これは過去初めてのことだ。特別捜査団は拘束令状に「被疑者・尹錫悦(ユン・ソクヨル)」としたことが把握された。 尹錫悦大統領は非常戒厳が宣言された3日、趙庁長に6回も電話をかけ、「議員を全員捕まえろ。戒厳法違反だから逮捕しろ」と国会議員逮捕の指示を直接与えたことが確認された。趙庁長の弁護を引き受けた盧正煥(ノ・ジョンファン)弁護士はこの日、尹大統領が趙庁長にこのように指示したと明らかにした。 盧弁護士はこの日、中央日報の「李在明(イ・ジェミョン)無罪にした判事も逮捕対象だった」という記事に関しても「呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官が携帯電話で伝えた位置追跡要請15人のリストに李在明共に民主党代表の偽証教唆事件1審で無罪を宣告した判事の名前が含まれていた」と確認した。 盧弁護士は、戒厳布告令が公布された後に尹大統領が6回電話をかけて逮捕を直接指示したという趙庁長の検察での陳述内容も公開した。盧弁護士は「趙庁長は尹大統領が議員をみんな捕まえろと指示したので、話にならないと考え、参謀には最初から指示もせず黙殺した」と説明した。 続いて「防諜司令官が名前を伝えたが、1人はよく知らないので誰なのかと尋ねたところ、李代表の偽証教唆事件1審無罪宣告判事(金東鉉ソウル中央地裁部長判事)という説明だった。政治家などの位置情報をほしいというのは、軍が逮捕する能力がなく、そのようにしたようだ」という趙庁長の陳述内容を伝えた。 盧弁護士は趙庁長が布告後に国会を全面統制するよう指示したことについては「(趙庁長は)形式的に布告令を違反すれば拘禁・逮捕など処罰を受けるため、最小限で従うことにした」と当時の状況を説明した。 盧弁護士はこの日、非常戒厳解除後に尹大統領と趙庁長が電話をした状況も公開した。盧弁護士は「趙庁長は大統領が怒る可能性を念頭に置いて電話を受け、任命権者に対して人間的に申し訳ないという思いを伝えたところ、大統領は『そうではない、ご苦労だった』『趙庁長のおかげで早くうまく終わった』と話した」と伝えた。 こうした中、警察国家捜査本部(国捜本)非常戒厳特別捜査団は前日、内乱重要任務従事容疑で趙庁長と金峰植ソウル警察庁長に対して請求した拘束令状に「被疑者・尹錫悦が被疑者・金竜顕(キム・ヨンヒョン、前国防部長官)の建議で非常戒厳を宣言すれば、被疑者・趙志浩と被疑者・金峰植は警察力を動員し、国会議員が非常戒厳解除決議のために集結できないよう国会の出入りを遮断するなどの役割を分担することを共謀した」と記述したことが分かった。警察が尹大統領を「被疑者」とみていることが令状で確認されたのだ。 国捜本は趙庁長が使用した「秘話フォン」を11日に家宅捜索で確保したという事実も明らかにした。国捜本の関係者は「趙庁長が尹大統領と秘話フォンで計6回通話したことが確認された」とし「金庁長の場合、秘話フォンがなく(趙庁長が)一般携帯電話で指示したと把握している」と話した。国捜本は大統領の漢南洞(ハンナムドン)官邸の家宅捜索と逮捕および通信内訳捜索差押許可状を申請することが可能かについては「検討段階」と明らかにした。 一方、特別捜査団はこの日、京畿(キョンギ)南部警察庁を家宅捜索した。京畿南部庁は非常戒厳宣言当時、中央選挙管理委員会果川(クァチョン)庁舎と水原(スウォン)選挙研修院などに警察を配置した。