中村倫也の柔らかく深みのある声にうっとり 『アラジン』実写版ならではのアレンジは必聴
実写版『アラジン』(2019年)が、11月30日の『土曜プレミアム』(フジテレビ系)にて放送される。ディズニーの人気アニメーション映画『アラジン』(1992年)が27年の時を超えて実写化された本作は、人気キャラクター・ジーニー役をウィル・スミスが担当することで注目を集めた。魔法と冒険に溢れた『アラジン』の世界は大人も子どもも思わず夢中になってしまう。今回は放送に先駆け、実写版『アラジン』の注目ポイントを紹介したい。 【写真】『ムファサ』キャラクターポスター(全9種) まず言及したいのは、日本語版吹き替えキャストの豪華さだろう。アラジン役には、甘く優しい声が魅力の中村倫也が、ジーニー役はアニメーション版と同じ山寺宏一が務めている。また、ジャスミン役を木下晴香が、ジャファー役を北村一輝が担当。 中村の柔らかく深みのある声は、貧しいけれど根は優しいアラジンのキャラクターとよくマッチする。時に甘く響く中村の声に、思わずうっとりと作品の世界にのめり込んでしまうだろう。 実写版『アラジン』はミュージカル作品ゆえに、芝居だけでなく歌の素晴らしさも魅力だ。アラン・メンケンが手がけたアニメーション版の人気楽曲たちは、実写版に合わせたアレンジが加えられ再び登場。ここに新たに仲間入りするのが、ジャスミンのソロ楽曲「スピーチレス~心の声」だ。本楽曲の歌唱シーンは、実写版『アラジン』の中でも最もパワフルで力強いシーンとなっている。ジャスミンの“強い想い”をぜひとも受け止めてほしい。 日本語吹き替え版では中村、山寺、木下がそれぞれ歌唱パートの吹き替えも担当しており、アニメーション版とはまた違った楽曲の魅力を引き出している。特に両方でジーニーを演じた山寺の「フレンド・ライク・ミー」は、アニメーション版と実写版ではまたずいぶんと印象が変わる。実写版では曲調がヒップホップ調になっており、山寺の声の調子もどことなく「ウィル・スミス演じるジーニー」に照準を合わせているように感じた。 多くの人が『アラジン』と言えば、真っ先に思い出すであろう「ホール・ニュー・ワールド」の歌唱シーンにも注目だ。美しいアグラバーの夜景を抜け、大自然の中を通り、やがて海の上を飛びながら、互いを見つめ合うアラジンとジャスミン。やわらかな旋律に乗せて中村の甘い歌声が響き渡る。空飛ぶじゅうたんの旅に魅力されていくジャスミンの気持ちの盛り上がりが感じられる木下の歌唱も相まって、なんともロマンチックなシーンとなっている。実写だからこそのリアルな質感の世界に2人のハーモニーが重なることで、アニメーション版とはまた違った印象となるだろう。 リアリティあふれる映像、魅力的な歌声、そして声優たちの声の芝居の素晴らしさ、とどこを取っても楽しめる実写版『アラジン』。ぜひ週末の夜に、王国アグラバーを舞台にした夢の世界を堪能してほしい。
Nana Numoto