家のネット回線が遅いです。中継機かメッシュWi-Fiの導入を検討しているのですが、どちらがいいですか?
家のネット回線が遅いと、中継機やメッシュWi-Fiの導入を検討する人もいるのではないでしょうか。 【画像:メッシュWi-Fiを使用したWi-Fi速度を見る】 そんなメッシュWi-Fiについて、LAN/無線LANの専門家で「All About」ガイドの岡田庄司が解説します。 (今回の質問) 家のネット回線が遅いとき、中継機とメッシュWi-Fiはどちらが良い? (回答) 予算が許すなら、断然メッシュWi-Fiをおすすめします。 どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
◆中継機とメッシュWi-Fiの違い
「中継機」とは、電波を中継して電波の届きにくいところへ電波を送る器機です。それに対して、「メッシュWi-Fi」は、電波を網の目のように配信する機器です。中継機が一方向だけに電波を送るのに対し、メッシュWi-Fiは、多方向に電波を送り、結果的に電波の網を構築します。
◆メッシュWi-Fiのメリット
メッシュWi-Fiのメリットとして、以下の点が挙げられます。 ・どこでも安定して電波を受信できる 中継機は、電波を一方向に送信するので、中継すればするほど電波が弱くなってしまいます。その点メッシュWi-Fiは、互いに“補完”し合いながら電波の網を構築するので、どこでも安定して電波を受信できます。 メッシュWi-Fiの補完とは、例えばA機からC機に電波を送信するとき、Aから直接C機に送るのではなく、B機を経由して電波を送る方が効率が良い場合、自動的に送信先を変更します。ユーザーによる指定は必要ありません。 また、専門用語にはなりますが、メッシュWi-Fiは、スループット(ネットワーク機器が一定の時間当たりに処理できるデータの量)や信号強度、利用可能な帯域幅(利用する電波の幅)などの情報を総合的に判断し、適切な通信経路を構築します。 ・機器が高性能で互換性がある メッシュWi-Fiは、1台のコントローラとそのほかのエージェントで構成されます。 このとき、コントローラもエージェントも通常の無線LANルーターなので、利用しているCPUや無線LANのチップ類も高性能のものとなっています。 また、業界団体のWi-Fi Allianceが、相互接続可能なメッシュWi-Fiの標準規格Wi-Fi EasyMesh(TM)を発表したことにより、異なるメーカー間の無線LANルーターでメッシュWi-Fiを構築することも原則的には可能となっています。そのため、将来的に無線LANルーターを別の会社の機器に買い替えても、今まで使っていた無線LANルーターをエージェントとして再活用することができます。 ただ、無線LANルーターを購入するときは、念のため各メーカー間の対応情報を確認してください。