【感動もう一度】激闘のルヴァン杯決勝!NSTアナウンサーの観戦記 クラブ史上初のタイトル争いから見えたもの
サッカーアルビレックス新潟は今季J1リーグでは最終節まで残留争いを余儀なくされたが、ルヴァン杯ではクラブ初の決勝に進出した。NSTの桶屋美圭アナウンサーは国立競技場での決勝を取材ではなく、観客として生観戦。惜しくも優勝を逃したものの、現地で感じた決勝の雰囲気とは… 【画像】熱気に包まれたルヴァン杯決勝!観客動員数は過去最高に アナウンサー生観戦ルポ
“てっぺん”へ!ルヴァン杯でつかんだ決勝戦への切符
「てっぺんを目指す」 松橋力蔵監督のこの言葉からアルビレックス新潟の新シーズンが始まった。 スポーツキャスターに就任してから何十回も「今季の目標は?」と質問してきたが、“優勝”ではなく“てっぺん”という言葉を選択したところに松橋監督らしさを感じた。 今季はこの言葉を合言葉に、サポーターも共闘意識を持って応援に臨めたのではないでだろうか。 新たなシーズンが開幕して1カ月後の3月に始まったのが、Jリーグ全60クラブで争われるYBCルヴァンカップ。 リーグ戦と並行して行われる非常にタフな試合日程だが、ルーキーや来季加入が内定している特別指定選手にとっては自身の強みをアピールする場でもある。 アルビは総力戦で上位8クラブの準々決勝まで駒を進めると、J1上位の町田ゼルビアから5得点、2019年の覇者・川崎フロンターレから6得点を奪って国立競技場で行われる決勝戦への切符を手にした。
東京へ向かう新幹線の切符は争奪戦に
2015年には準決勝に進出しているが、決勝進出は初めて。 新潟に来てから新潟県民のサッカーへの関心が高いことに驚いたが、決勝当日、東京行きの新幹線切符は争奪戦に…。1度目の増便で切符が買えず、2度目でようやく入手できた。 当日は、NSTNewsタッチで共演している石黒菖気象予報士と一緒に新幹線で現地へ向かった。(石黒さんは1週間、国立競技場の天気も予報してくれていました!) もちろん新幹線の乗客のほとんどがアルビのグッズを身につけたサポーター。「頑張りましょうね!」と言葉を交わすのも現地観戦の楽しみの一つだ!
現地の熱気・緊張感…優勝逃すもクラブにとって大きな一歩に
会場の国立競技場には、大粒の雨が降る中、ルヴァン杯としては過去最高動員となる約6万2000人の両チームのサポーターが来場。 物凄い熱気と緊張感の中で試合が始まったが、前半で2点を失う展開となる。 その後、後半に1点を返し、試合終了間際に小見選手のPKが決まったときは、周りからすすり泣きが聞こえるほどだった。そんな緊迫感の中で試合をする選手たちの心情はものすごいものだったと想像する。 PKにもつれこむ大激戦の末、てっぺんには届かなかったが、アルビはクラブ初の準優勝を果たした。 試合後の選手の表情を見て、応援してくれる人たちと喜び合う一瞬のために、日々自分自身と戦いながら厳しい鍛錬を積んでいるのだと改めて感じることができた。 結果が全てと言われるプロの世界で、優勝と準優勝では大きく違うのかもしれないが、試合日が近づいてくる期待感や国立競技場に足を踏み入れた時の高揚感、そして試合後に沸き上がってきた悔しさは、誰しもが味わうことができるわけではない。 それを今回、県民一体となって感じることができたということは、クラブ史にとって大きな一歩だったのではないかと強く感じた。 今季が終了し、松橋監督は退任。新たに樹森監督が指揮を執ることが決まっている。選手も入れ替えが激しくなっているが、新生アルビがどんなサッカーを見せてくれるのか、今から楽しみだ。 (NST新潟総合テレビ・桶屋美圭)
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