会社員の税金を取り返す!資格取得、図書費、衣料費…これら全部経費になります「特定支出制度の裏技」
サラリーマンの経費「特定支出控除」とは
副業や投資などしていなくても、サラリーマンが確定申告を行うメリットが実はあります。それが「特定支出控除」です。特定支出控除とは、業務に関係する支払いが多い場合に所得からその費用の一部を控除できる制度です。控除の結果、源泉徴収により納税された一部金額が戻る可能性があります。 具体的には以下の費用が特別支出控除の対象となります。 ・通勤費 ・職務上の旅行 ・転居費 ・研修費 ・資格取得費 ・帰宅旅費(単身赴任の場合など) ・勤務必要経費 ・図書費 ・衣類費 ・交際費等 通勤費や転居費、研修費などについて、会社負担の場合は特定支出控除の対象となりません。あくまでも自腹を切った場合の支出に限られます。資格取得費、図書費、衣類費(スーツ代等)は個人的に支出している方がほとんどであり、確定申告を行うことで、源泉徴収により納税した一定金額が戻る可能性があります。 様々な費用が特別支出控除の対象となりますが、大前提としては、合理的に第三者に説明できる費用に限られます。会社から支給を受けた費用はもちろん、個人的な飲食費や衣類費は費用とすることはできません。税務調査が来た時に、相手に合理的に説明できる費用に限られる点は注意しましょう。 なお、法人を設立して勤め先の会社から業務を委託される形とすれば、家賃など業務に関係するほとんどの費用を全部もしくは一部を経費とすることができ、納税額を減らすことができます。
多額の自腹を切った場合は特別支出控除の活用検討を
給与所得控除額は以下となっています。 ・収入162.5万円まで→55万円 ・収入162.5万円を超え180万円以下→収入×40%-10万円 ・収入180万円を超え360万円以下→収入×30%+8万円 ・収入360万円を超え660万円以下→収入×20%+44万円 ・収入660万円を超え850万円以下→収入×10%+110万円 ・収入850万円を超える場合→195万円(上限) 上記で計算し産出した給与所得控除額の1/2を超える場合、超えた金額について特定支出控除を受けられます。仮に収入が500万円で特定支出が50万円の場合は以下となります。 50万円-((500万円×20%+44万円)×1/2) = ▲22万円 マイナスの場合は控除を受けられません。よって上記の場合、控除は受けられず確定申告をしても税金は戻りません。収入が500万円の場合、控除が受けられるのは72万円以上の費用が生じた時です。よって多額の費用が発生した時は、特に特別支出控除の活用を検討するべきです。 資格取得の費用は多額となるケースが少なくありません。業務に関係する資格取得などで多額の自腹を切った際は、確定申告を行い特別支出控除の活用を検討してはいかがでしょうか。
石井僚一