日本株、「イラン危機」で株価急落か…「逆に、いま」買いたい「プロ厳選銘柄5選」を実名紹介
株式市場にリスク回避のムードが広がっている。ロシアとウクライナ、中国と台湾などの緊張関係が混迷化する中、イスラエルとイランの対立も激化したことで、地政学リスクはかつてないほど高まっている。 【マンガ】グーグルが上場したときに「100万円」買っていたら、今いくら? 過去の地政学リスク上昇時の動きを振り返ると、株価調整そのものは一過性にとどまるケースが多かった。ただし、エネルギー供給の不安定化や国際貿易の混乱などを通じて、物色動向については変化をもたらしたケースが多い。 たとえば、石油セクターやプラントセクターなどには原油高メリットが連想されるケースが多かった。また、ディフェンシブセクターが選好される傾向なども多くみられた。さらには円高へ振れるケースが多かったことから、足元は34年ぶりの円安局面が進行中であっても、今後の為替市場の動向は要注目となりそうだ。 一方、電力や化学セクター、自動車部品などはコスト上昇の影響を受けるほか、化粧品や旅行関連など、インバウンド需要の減少が懸念される可能性などにも警戒が必要かもしれない。地政学リスクの高まりが長期化する場合に備え、相対的に優位となりそうな銘柄などへの目配りが必要となりそうだ。
千代田化工建設(6366)
■株価(4月19日時点終値)438円 石油精製や石油化学プラント建設で高い競争力を持つ。特に液化天然ガス(LNG)プラント建設における実績と技術力は世界トップクラスだろう。近年、地政学リスクの高まりにより、エネルギー安全保障への意識が高まっている。石油や天然ガスの価格上昇は、顧客である石油メジャーや国営石油会社のプラント建設に対する投資意欲につながるだろう。 4月からスタートした新中期計画では、多様な事業ポートフォリオの確立と収益力の向上を重点目標に位置付ける方針だ。水素サプライチェーン事業による収益貢献なども中期的な期待材料となるだろう。過去においては、水素貯蔵・輸送媒体であるメチルシクロヘキサン(MCH)から水素を得る高性能な触媒を開発しており、水素活用でも高い実績が光る。 トヨタ自動車<7203>とは水電解装置の共同開発に取り組み、再生可能エネルギーを使ったグリーン水素の生産技術を開発することで合意している。原油価格の上昇が長期化するならば、待望の技術開発としてさらなる注目を浴びそうだ。