覚醒剤 口から多量摂取 ドン・ファン事件、解剖医が証言
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われている元妻の須藤早貴被告(28)の第6回公判が27日、和歌山地裁であった。野崎さんの遺体を解剖した県立医科大学法医学講座教授の医師が証人として出廷し、野崎さんの死因は、口から覚醒剤を摂取したことによる急性覚醒剤中毒だったと証言した。 【覚醒剤発見状況を説明 「ドン・ファン」事件、証人の警察官の記事はこちら】 起訴状によると、須藤被告は2018年5月24日、殺意を持って、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で殺害したとされる。須藤被告は起訴内容を否認し、弁護側は無罪を主張している。 医師は、18年5月25日に解剖を実施。その結果や薬毒物検査などから、野崎さんの死亡推定時刻は、遺体の直腸温や硬直の状況など、さまざまな要素から事件当日の「午後8時~9時ごろが一番考えられる」などと説明した。 野崎さんの覚醒剤の血中濃度は指標の致死域と比べて2倍以上だったとも説明した。この点について、裁判員から「野崎さんの摂取は1回だったのか、複数回だったのか」という趣旨の質問があった。医師は「一気(1回)か、極めて近接した時間でないと、こうはならない」と答えた。
紀伊民報