東京、本当にうまい「絶品のせいろ蕎麦」ベスト5軒…コシ最強、サクッといける《銀座・成増・広尾・分倍河原・後楽園》で発見
分倍河原「よし木」
分倍河原で長く評判の店、『よし木』。先代のご主人が引退し、今年7月から縁あって引き継いだのが現店主・亀田雄一郎さんだ。「自分などはまだまだ」と言葉は少ないが、供された二色せいろは端正な面持ちで自然と期待値が上がる。片や手挽き十割の生粉打ち。ホシの散る玄挽きの蕎麦は、もちりとして噛めば風味が力強い。片やせいろ。日によって外イチから二八と「試行錯誤中」というが、本日は二八。こちらは艶やかで清新。わさびをのっけて少し甘めのツユで手繰れば蕎麦の香が心地いい。研究熱心な亀田さんの打つ蕎麦の今後にも期待大だ。
後楽園「舞扇」
蕎麦は手刈り天日干しの金砂郷産「常陸秋そば」。店主の橋本さんは、常陸太田市の名店『慈久庵』とも知己があり、同じ常陸秋そばでも畑にまでこだわって厳選したものを入手。その素材を生かすべく、丸抜きを超低回転で挽いたものと玄蕎麦の粗挽きを調合し、九一で打つ。供されたせいろは、ごく細切りの中にホシを浮かべながらコシはしっかり。艶やかな透明感を感じながら手繰ると、心地よく風味が返ってくる。枯らしの年数まで指定した本枯節を使うというツユは、スキッとキレよく旨みが伸びる。素敵な日本酒も揃い、"一杯の後に"がまた至福! …つづく「東京老舗の「絶品そば」ベスト3店…のどごし最強クラスの絶品を《浅草・目白・小川町》で見つけた」では、あまたひしめくそば屋の中から、選りすぐりのお店を紹介します。 『おとなの週末』2022年1月号より(※本内容は発売時のものです)