アニメ「ガルクラ」の劇中バンド・トゲナシトゲアリが3rd ワンマンライブで伝えた気持ち「この先、みんなと一緒に歩んでいきたいと思っています」
アニメ「ガールズバンドクライ」の劇中ガールズバンド・トゲナシトゲアリ。彼女たちの3rd ONE-MAN LIVE"咆哮の奏"が2024年11月2日、東京・TOKYO DOME CITY HALLにて開催された。 【写真を見る】オープニングで登場をしたトゲナシトゲアリ フロアはもちろん、スタンド席も観客で埋め尽くされる中、スクリーンと照明、そして楽器以外はなにもないというシンプルなステージに、ヴォーカルの理名、ギターの夕莉、ベースの朱李が登場。ステージ上で円陣を組んだのち、理名の「はじまるよー!」の掛け声でライブはスタート。アニメ第13話の挿入歌「運命の華」を、理名もギターをかき鳴らしながらパフォーマンスすると、会場が一体となった熱いハンドクラップが後押し。どこまでも真っ直ぐなサウンドで、観客の心をひとつにした。続く「極私的極彩色アンサー」では、スクリーンに映し出されたMVと共に、疾走感あふれるクールなメロディでホールを大きく揺らすと、この日初めてのMCパートへ。超満員の観客に「今日は現在の私たちを感じてもらえたら嬉しいです!」と呼び掛けると、息つく間もなく「闇に溶けてく」をパフォーマンス。青春の切なさやもどかしさが詰まったサウンドを響かせていく。 ドラマチックなロックナンバー「碧いif」では、タイトルに合わせた青の照明、夕日を思わせるライティングが印象的なラブバラード「蝶に結いた赤い糸」といった、シンプルなステージだからこそ映える演出で楽曲の魅力をストレートに表現。「偽りの理」「黎明を穿つ」では、MVを背景にメランコリックにきらめく夕莉のギターと、朱李が奏でる音色豊かなベースラインが、理名の焦燥感を秘めた切実なヴォーカルをさらに加速させた。 その後のMCでは、9月13日にアニメ最終話である第13話にも登場する川崎・CLUB CITTA'にて開催された2nd ONE-MAN LIVE "凛音の理"を改めて振り返った。アニメのストーリーとそれにまつわる劇中歌パート、そしてアニメのテレビ放送前の楽曲で構成された2ndでは、トゲナシトゲアリの母体となる3ピースバンド・新川崎(仮)にはベースがいない、という劇中の設定もしっかり再現したため、ステージ上で朱李がついたての後ろに隠れてのスタートだったことを紹介。理名から当時の気持ちを聞かれ、朱李は「悪いことした人みたいだった」と笑顔で明かした。また、夕莉が、川崎駅前の風景をバックに、ステージセンターで歌唱したことも報告。「めちゃくちゃ緊張したんですよ。初めて一人で真ん中で歌って。なので、桃香さんになりきった気持ちで、憑依させて一生懸命歌いました!」と改めて夕莉が振り返ると、理名が仁菜として、「桃香さん!」と呼び掛ける。その声に応えるようにギターを奏でながら1フレーズを歌うと、理名がその後に続き、アニメ映像と共に「空の箱」のパフォーマンスへと突入していく。その熱い演出に、客席のあちこちから泣き声が漏れていた。そのエモーショナルな空気を落ち着かせる間を与えぬまま始まった「声なき魚」と「視界の隅 朽ちる音」では、観客のハンドクラップが楽曲の疾走感を後押しし、ライブならではの一体感が会場を満たしていった。 続いての自己紹介コーナーでは、理名が11月13日に17歳になることを報告。夕莉は、誕生日プレゼントとして理名と朱李から、別々に全く同じヘアブラシをもらったことを笑顔で明かした。そして、朱李は、劇中で自身が演じるルパと現在休養中のキーボード、凪都が演じる智とのユニット・beni-shougaの楽曲をいつかライブで演奏したい、という願いを口にした。 その後は、この日、初披露となる疾走感あふれるロックナンバー「渇く、憂う」や、「理想的パラドクスとは」「気鬱、白濁す」をパフォーマンス。「ライブバンドとしても、この先、みんなと一緒に歩んでいきたいと思っていますので、これからも応援よろしくお願いします!」というMCをはさみ、彼女たちのはじまりの歌でもある「名もなき何もかも」では、理名の「叫べー!」の声に応えた観客の歓声やハンドクラップで、会場はさらに熱を帯びていく。 トゲナシトゲアリのライブでは初のコール&レスポンスで改めて観客との絆を確かめた後は、「サヨナラサヨナラサヨナラ」「爆ぜて咲く」と熱いナンバーを立て続けにドロップ。中でも、「爆ぜて咲く」では、絶え間なく楽曲を彩る観客のハンドクラップとシンガロングに応えるように、理名が「怒りも喜びも悲しさも全部ぶち込め!」と叫ぶと、会場が揺れんばかりの歓声が沸き上がった。ラストはオープニング主題歌「雑踏、僕らの街」で観客のボルテージを最大限に高め、ステージを後にした。 そして、アンコールはエンディング主題歌「誰にもなれない私だから」に続けて「無知のち私」、第11話で大きな反響を呼んだ「空白とカタルシス」を披露し、3度目のワンマンライブの幕を下ろした。 文=中村実香 写真=キセキミチコ
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