【記者がみた法廷】手を染めた「闇バイト」“ショッカー”に扮し強盗未遂「死ぬか、やるかと脅された」男に下された判決は《新潟》
「使い捨ての駒」体を震わせ裁判官の声に耳を傾ける被告 下された判決は
10月28日。判決公判を迎えた。 上下灰色の作業服に、マスクを着けて入廷した被告。 周りに目を配りながら、ゆっくりとした足取りだった。 証言台に立った長友被告。裁判官をしっかりと見つめていた。 裁判官「主文、被告人を懲役3年に処する。5年間執行を猶予し、保護観察に付する」 長友被告に、執行猶予・保護観察付きの判決が下された。 保護観察とは、社会の中で生活させながら、保護観察所の指導。監督のもと、更生を図る処分だ。 裁判官は判決理由を告げた。 裁判官「本件強盗の態様は、相当悪質な部類に属する。被害店舗の店長は、黒色のキャラクターコスチュームを頭部までまとった被告人から包丁を突き付けられたことにより、多大な恐怖を覚えたものと言える」 そのうえで、裁判官はこう続けた。 裁判官「被告人は、いわば『使い捨ての駒』として、犯行計画の全貌を知らされることのないまま、氏名不詳者ら(指示役)が行う指示に従ったものと言える。被告人が反省の立場を示し、二度と罪を犯さないと誓約していることも考えれば、今回に限り刑の執行を猶予し、社会内で更生する機会を与えるのが相当である」 裁判官が話している最中、被告の上半身は少し震えているように見えた。 何度も何度も、深呼吸をしていたことが印象的だった。 裁判官「月に1度の保護司との面談など、保護観察所の指示に従って生活してください。二度と、罪を犯さないようにしてください」 長友被告はじっと前を見つめ、深くうなずいた。 誰もが当たり前に使うSNSから「闇バイト」に手を染め、“ショッカー”に扮し、罪を犯してしまった長友被告。 二度と“悪役”になることがないよう、しっかりと更生していくことを願う。 (取材:TeNYテレビ新潟 長谷川サラ)