暑くなるほど臭くなる! 専門家に聞いた“口臭悪化”させるNG6「舌磨きは逆効果」
「私の口、におってないかしら」 口臭が気になった経験は、誰でもあるだろう。「口臭白書2019」によると、日本人の9割が口臭を気にしたことがあるという。 【写真あり】歯科での口中殺菌のやりすぎも要注意 「口臭に悩む人は本当に多いんです。口臭外来を歯科に併設して約20年、1千人以上の方が来院されました」 そう話すのは『口臭を気にする女、気にしない男』(英智舎)の著者で、歯科医の櫻井直樹先生だ。どういうときに口臭はひどくなるのだろう? 「唾液の量と質がポイントです。今は花粉症の季節。花粉症だと鼻が詰まり気味で口呼吸になりやすい。口が開いていることが多く、口内は乾燥して唾液が減るため、口臭がひどくなる人が多いです。 さらに夏が近づくにつれて、気温が高く全身の水分量が減るため、唾液も減ります。夏バテによる体調不良や腸内環境の悪化なども重なり、口臭はもっとひどくなるのです」(櫻井先生、以下同) これから“どんどん臭くなる”なら、今のうちに対策したい。 「ただ、皆さんがよかれと思って続けている習慣が、実は悪影響を及ぼし、ひどい口臭の原因になるケースがあります。口臭をコントロールするには、正しい知識が必要なのです」 口臭を悪化させるNG習慣を6つ櫻井先生に教えてもらった。 ■1日に3回以上歯をゴシゴシ磨く 「口臭外来に来るほど口臭を気にする人は、1日3回以上しっかり歯磨きして歯はピカピカです。 でも、本来無色透明なはずの唾液が、白濁していることが多い。これは、歯磨き粉やゴシゴシ磨きによって口内に炎症が起き、粘膜が剥がれ落ちているためです」 粘膜のカスは、細菌によって分解され口臭のもとになるという。口臭は測定値が50を超えると周りの人が気になるレベルとなる。歯磨きの回数と測定値50以上の割合を比べた調査では、歯磨きが1日2回以下の人より、3回以上の人のほうが、50以上の人が多いという結果に。 「歯磨きはやり方が問題です。ゴシゴシ力を入れず、ほうきで軽く何度も掃くイメージで行って。歯磨き粉は合成界面活性剤を含まないオーガニックがおすすめです」 ■白い苔が消えるよう舌をよく磨く 舌の表面につく白い苔状の「舌苔」が、口臭の9割以上の原因。そんな話を聞いたことのある人は、舌を磨いているかもしれないが、舌苔を取ることが口臭予防につながるとはいえない。 「口臭を気にする人は、舌が出血したり、赤くなるまで磨いたりする人がいますが、やめてください。舌が炎症を起こしてしまいます」 舌磨き後、2時間くらいは口臭が消えるが、その後、炎症などによって口臭が強くなるという。 「口臭外来に来る人の1~2割は、歯磨き粉をつけて舌を磨くようです。そうすると唾液がにごって、ドブのようなにおいがします」 舌苔を取らなくても、水を飲む、ガムをかむなどして唾液量を増やせば、口臭は予防できる。