江崎グリコ、焙煎しないチョコの新ブランドを来年1月発売 苦みを抑制 バレンタインの目玉に
江崎グリコは17日、カカオ豆を焙煎しない珍しい製法で作るチョコレートの新ブランド「Tunmel(トゥンメル)」を発表した。同社初となるカカオ含有率8割超のチョコで、スイスのメーカーが国際特許を持つ「コールドエクストラクション」製法をアジア発企業として初めて採用。来年1月から期間限定で発売する。今後の常設販売も見すえ、需要が高まるバレンタインの目玉としても打ち出すことでブランド認知を広げる。 通常の焙煎工程をなくしたのが最大の特徴。カカオ豆を砕いた「カカオニブ」に水を加え、低温ですりつぶすことで苦みや酸味を抑制できる。カカオ本来の香りやポリフェノールなどの成分を保つため香料や安定剤の添加がいらず、原料はカカオニブと砂糖のみ。 ペルー、ドミニカ、ガーナと3つの産地の個性を引き出した3品(6~8個入り、2052円)に加え、全種類のセット(12個入り、4104円)を用意。来年1月15~19日に阪急うめだ本店(大阪市北区)で、伊勢丹新宿店(東京都新宿区)は同2月8~14日に販売。来年以降、ポップアップストアや常設の専門店も出す。 近年、チョコ市場はカカオ豆高騰で高価格路線が目立つ。帝国データバンクの調査によると、2024年におけるバレンタイン向けチョコの1粒当たり平均価格は前年比4・5%増の395円。22年比で11%値上がりした。江崎グリコの担当者は「原料高騰と今回の商品化には直接関係ない」としながらも「より商品価値の高いものとして打ち出し、インバウンド需要なども見込める」とした。(田村慶子)